保健福祉専門職による支援を拒否する住民の特徴とその関連要因の解明
目的 本研究の目的は,行政の保健福祉専門職が対応に苦慮する困難な事例のうち,その支援を拒否する住民の特徴および関連要因を検討することである。 方法 本調査は,対応困難事例への支援について精神科医等が助言する専門相談事業を2006年から実施している A 自治体と共同研究協定を締結し実施した。この事業に2006~2012年に提出された372人を分析した。対象者の基本属性,家族要因,精神科的要因,問題行動,保健福祉専門職による支援への拒否の有無について個人名を特定できない状態でデータ提供を受けた。保健福祉専門職による支援への拒否の有無とその関連要因を検討するためロジスティック回帰分析を行った。 結果...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 日本公衆衛生雑誌 Vol. 62; no. 1; pp. 20 - 27 | 
|---|---|
| Main Authors | , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本公衆衛生学会
    
        01.01.2015
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0546-1766 2187-8986  | 
| DOI | 10.11236/jph.62.1_20 | 
Cover
| Summary: | 目的 本研究の目的は,行政の保健福祉専門職が対応に苦慮する困難な事例のうち,その支援を拒否する住民の特徴および関連要因を検討することである。 方法 本調査は,対応困難事例への支援について精神科医等が助言する専門相談事業を2006年から実施している A 自治体と共同研究協定を締結し実施した。この事業に2006~2012年に提出された372人を分析した。対象者の基本属性,家族要因,精神科的要因,問題行動,保健福祉専門職による支援への拒否の有無について個人名を特定できない状態でデータ提供を受けた。保健福祉専門職による支援への拒否の有無とその関連要因を検討するためロジスティック回帰分析を行った。 結果 分析対象とした309人のうち,支援拒否群は102人(33.0%),支援拒否あり群は207人(67.0%)だった。ロジスティック回帰分析の結果,生活保護を受給していること(Odds Ratio=1.86, 95%CI=1.02–3.39),拒薬があること(Odds Ratio=2.07, 95%CI=1.10–3.90),暴言があること(Odds Ratio=1.97, 95%CI=1.09–3.55)が,保健福祉専門職による支援への拒否があることに有意に関連していた。 結論 本結果から支援拒否あり群は,支援拒否群よりも病状悪化の危険性や危機介入の必要性がより高い者である可能性が示唆された。 | 
|---|---|
| ISSN: | 0546-1766 2187-8986  | 
| DOI: | 10.11236/jph.62.1_20 |