透明フードを用いた内視鏡的食道静脈瘤硬化療法—標準手技としてのフード法の有用性

内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS)は食道静脈瘤治療の第1選択として確立した治療方法である.しかし静脈瘤内注入には熟練を要し,特にF1以下の静脈瘤穿刺は上級者でもしばしば困難である.そこでわれわれは,F1以下の静脈瘤に対する静脈瘤内注入を容易にする目的で独自のフード法を考案し,2002年からこの使用を開始した.従来の方法と比較検討した結果,良好な成績が得られたため報告する.対象症例はEISを行ったF1以下の静脈瘤66例で,通常の方法34例(通常群)とフードを用いた32例(フード群)の2群間で検討を行った.静脈瘤内注入率は通常群70.6%に対してフード群93.8%,供血路造影率は通常群55.9%に対...

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Published inJapanese Journal of Portal Hypertension Vol. 18; no. 4; pp. 189 - 193
Main Authors 小島, 邦行, 瓦谷, 英人, 上嶋, 昌和, 武山, 真也, 福井, 博, 松村, 雅彦, 梅本, 典江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本門脈圧亢進症学会 2012
The Japan Society for Portal Hypertension
Subjects
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ISSN1344-8447
2186-6376
DOI10.11423/jsph.18.189

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Summary:内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS)は食道静脈瘤治療の第1選択として確立した治療方法である.しかし静脈瘤内注入には熟練を要し,特にF1以下の静脈瘤穿刺は上級者でもしばしば困難である.そこでわれわれは,F1以下の静脈瘤に対する静脈瘤内注入を容易にする目的で独自のフード法を考案し,2002年からこの使用を開始した.従来の方法と比較検討した結果,良好な成績が得られたため報告する.対象症例はEISを行ったF1以下の静脈瘤66例で,通常の方法34例(通常群)とフードを用いた32例(フード群)の2群間で検討を行った.静脈瘤内注入率は通常群70.6%に対してフード群93.8%,供血路造影率は通常群55.9%に対してフード群84.4%と,どちらも後者で有意に高率(p<0.05)であった.フード法を用いるEISは食道静脈瘤治療における標準手技として有用な方法であると考える.
ISSN:1344-8447
2186-6376
DOI:10.11423/jsph.18.189