てんかんに随伴する精神症状

近年の精神科医にとって,てんかんは徐々にその守備範囲から外れつつある。しかしてんかんをもつ患者において,不安・抑うつや幻覚妄想などの精神症状はかなり高い頻度で合併し,その生活の質にとって最も重要な臨床因子の一つである。自殺もまた,てんかんをもつ患者で頻度が高いことを考えると,精神症状を丁寧にスクリーニングし,治療することの意義は大きい。このように,てんかんの診療において精神科医の果たすべき役割は非常に大きいが,てんかんに伴う精神症状をよく理解している精神科医は必ずしも多くないと思われる。本稿ではてんかん自体に併発する精神症状や,抗てんかん薬などの治療によって惹起される精神症状について概説し,て...

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Published in総合病院精神医学 Vol. 23; no. 1; pp. 27 - 34
Main Author 山田, 了士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本総合病院精神医学会 15.01.2011
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ISSN0915-5872
2186-4810
DOI10.11258/jjghp.23.27

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Summary:近年の精神科医にとって,てんかんは徐々にその守備範囲から外れつつある。しかしてんかんをもつ患者において,不安・抑うつや幻覚妄想などの精神症状はかなり高い頻度で合併し,その生活の質にとって最も重要な臨床因子の一つである。自殺もまた,てんかんをもつ患者で頻度が高いことを考えると,精神症状を丁寧にスクリーニングし,治療することの意義は大きい。このように,てんかんの診療において精神科医の果たすべき役割は非常に大きいが,てんかんに伴う精神症状をよく理解している精神科医は必ずしも多くないと思われる。本稿ではてんかん自体に併発する精神症状や,抗てんかん薬などの治療によって惹起される精神症状について概説し,てんかん診療に重要な役割をもつと考えられる総合病院精神科医の理解を得たい。
ISSN:0915-5872
2186-4810
DOI:10.11258/jjghp.23.27