本邦回復期リハビリテーション病棟入棟患者における栄養障害の実態と高齢脳卒中患者における転帰、ADL帰結との関連
【目的】回復期リハビリテーション病棟における栄養障害の実態、および脳卒中患者における栄養障害の程度が Activity of Daily Living(ADL)帰結や転帰先に与える影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は2012年2月に調査協力施設の回復期リハビリテーション病棟を退棟した患者230名(脳卒中134名、運動器疾患47名、廃用症候群14名、その他35名)で、身体計測値、血液検査値、転帰先、Functional Independence Measure(FIM)を後ろ向きに調査した。【結果】Geriatric Nutritional Risk Indexにより43.5%が栄...
Saved in:
Published in | 日本静脈経腸栄養学会雑誌 Vol. 30; no. 5; pp. 1145 - 1151 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
2015
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2189-0161 2189-017X |
DOI | 10.11244/jspen.30.1145 |
Cover
Summary: | 【目的】回復期リハビリテーション病棟における栄養障害の実態、および脳卒中患者における栄養障害の程度が Activity of Daily Living(ADL)帰結や転帰先に与える影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は2012年2月に調査協力施設の回復期リハビリテーション病棟を退棟した患者230名(脳卒中134名、運動器疾患47名、廃用症候群14名、その他35名)で、身体計測値、血液検査値、転帰先、Functional Independence Measure(FIM)を後ろ向きに調査した。【結果】Geriatric Nutritional Risk Indexにより43.5%が栄養障害と判断された。脳卒中患者における入退棟時 FIMは栄養障害群の方が有意に低く、退棟時 FIMを目的変数とした重回帰分析では栄養障害の程度が入棟時 FIMとは独立した説明変数となった(R2=0.734)。また栄養障害が重度であるほど自宅復帰率は低い結果となった(オッズ比 =0.580)。【考察】回復期リハビリテーション病棟では高率に栄養障害を認め、ADL帰結や在宅復帰に影響する可能性が示唆された。回復期リハビリテーション病棟において ADL向上や在宅復帰を果たすためには栄養状態の迅速な評価が重要である。 |
---|---|
ISSN: | 2189-0161 2189-017X |
DOI: | 10.11244/jspen.30.1145 |