看護学生の正確な指示受けのためのソーシャルスキルトレーニング 臨地実習で直面する困難状況を課題場面とした医療安全教育の試み

「問題と目的」近年, 医療事故の調査・研究において, コミュニケーションの不具合が医療事故の重要な原因の一つであることが指摘されている(嶋森・福留・山井, 2003). 情報伝達の途絶や, 情報を受け取る医療者による誤解が生じれば, その時点まで提供されてきた医療が滞り, 不適切な治療が行われることで, 患者安全が不確実なものになりかねない(目本医療機能評価機構, 2014a). 患者安全のためには, コミュニケーションのエラーを防止する必要がある. 送り手は受け手の情報への理解が正しいか, 受け手は自分の情報への理解が正しいかの双方による確認が必要である(高木・鬼塚, 2007). 特に,...

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Published in応用心理学研究 Vol. 44; no. 1; pp. 70 - 80
Main Authors 兵藤, 好美, 畠中, 香織, 田中, 共子, 山本, 恵美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本応用心理学会 31.07.2018
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ISSN0387-4605
2433-7633
DOI10.24651/oushinken.44.1_70

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Summary:「問題と目的」近年, 医療事故の調査・研究において, コミュニケーションの不具合が医療事故の重要な原因の一つであることが指摘されている(嶋森・福留・山井, 2003). 情報伝達の途絶や, 情報を受け取る医療者による誤解が生じれば, その時点まで提供されてきた医療が滞り, 不適切な治療が行われることで, 患者安全が不確実なものになりかねない(目本医療機能評価機構, 2014a). 患者安全のためには, コミュニケーションのエラーを防止する必要がある. 送り手は受け手の情報への理解が正しいか, 受け手は自分の情報への理解が正しいかの双方による確認が必要である(高木・鬼塚, 2007). 特に, 医療の最終行為者となる看護師は, 情報伝達を確実に行うために確認作業を徹底し, 患者の安全を確保することが不可欠である.
ISSN:0387-4605
2433-7633
DOI:10.24651/oushinken.44.1_70