右肝動脈結紮を要したⅢb型肝損傷の治療経験

症例は35歳,女性.バイク事故にて受傷,当院へ転院搬送となった.Ⅲb型肝損傷による出血性ショックと診断しperihapatic packingを施行後,血管造影を行った.右肝動脈は上腸間膜動脈から分岐し,A7より造影剤の血管外漏出像を認めた.血管塞栓術を試みたが,abdominal compartment syndrome(以下,ACS)の併発により止血に難渋し,止血とACSの解除のため,開腹下に右肝動脈結紮術を施行した.術後経過は良好で独歩退院となった.予測生存率は27.6%であった.肝動脈結紮術がdamage control surgeryの一選択肢であることを再認識した一例であった....

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Published inJournal of the Japanese Association for the Surgery of Trauma Vol. 31; no. 1; pp. 13 - 16
Main Authors 蕪木, 友則, 門馬, 秀介, 小林, 誠人, 番匠谷, 友紀, 岡, 和幸, 松井, 大作, 前山, 博輝, 杉野, 貴彦, 藤崎, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 2017
The Japanese Association for the Surgery of Trauma
Subjects
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.31.13

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Summary:症例は35歳,女性.バイク事故にて受傷,当院へ転院搬送となった.Ⅲb型肝損傷による出血性ショックと診断しperihapatic packingを施行後,血管造影を行った.右肝動脈は上腸間膜動脈から分岐し,A7より造影剤の血管外漏出像を認めた.血管塞栓術を試みたが,abdominal compartment syndrome(以下,ACS)の併発により止血に難渋し,止血とACSの解除のため,開腹下に右肝動脈結紮術を施行した.術後経過は良好で独歩退院となった.予測生存率は27.6%であった.肝動脈結紮術がdamage control surgeryの一選択肢であることを再認識した一例であった.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.31.13