油性注射剤における筋肉内注射技術と硬結発生の実態に関する調査
油性注射剤の筋肉内注射による硬結発生の実態は明らかでない. 乳がん治療薬フルベストラントによる硬結発生の実態, 筋肉内注射技術と注射時の看護ケアの実態を把握することを目的として, 自記式質問紙調査を行った. 全国のフルベストラントを使用している病院で勤務する看護師169名のうち有効回答の得られた54名を対象とした. 各項目は記述統計, Fisherの正確確率検定を用いて分析した. 硬結は30施設 (55. 6%) で発生しており, 患者の体型や合併症に関係なく発生し, 治療開始3ヵ月以降の患者に多い傾向があった. 第一選択部位は「クラークの点」 (66. 7%) が最も多く, 硬結発生と有意な...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 日本看護技術学会誌 Vol. 16; pp. 51 - 60 | 
|---|---|
| Main Authors | , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本看護技術学会
    
        2017
     Japanese Society of Nursing Art and Science  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1349-5429 2423-8511  | 
| DOI | 10.18892/jsnas.16.0_51 | 
Cover
| Summary: | 油性注射剤の筋肉内注射による硬結発生の実態は明らかでない. 乳がん治療薬フルベストラントによる硬結発生の実態, 筋肉内注射技術と注射時の看護ケアの実態を把握することを目的として, 自記式質問紙調査を行った. 全国のフルベストラントを使用している病院で勤務する看護師169名のうち有効回答の得られた54名を対象とした. 各項目は記述統計, Fisherの正確確率検定を用いて分析した. 硬結は30施設 (55. 6%) で発生しており, 患者の体型や合併症に関係なく発生し, 治療開始3ヵ月以降の患者に多い傾向があった. 第一選択部位は「クラークの点」 (66. 7%) が最も多く, 硬結発生と有意な関連 (P<0. 01) が認められた. よって「クラークの点」を優先的に選択する看護師が硬結を経験しやすい可能性があるが, 選択部位の工夫だけでは硬結予防が確実ではないと考えられた. 硬結予防のために行われていたケアはマッサージ (3施設) のみであり, ケアの実施が少ない現状が把握できた. | 
|---|---|
| ISSN: | 1349-5429 2423-8511  | 
| DOI: | 10.18892/jsnas.16.0_51 |