血栓回収療法の多様性と協調

急性脳主幹動脈閉塞症に対する血栓回収療法は, 複数のランダム化試験における有効性の証明と時間的な適応拡大により飛躍的に成長した. さまざまな血栓回収デバイスやテクニックが誕生し, その選択肢が多様化しているほか, グレードC1推奨の遠位部血管閉塞や後方循環系閉塞, 軽症例, 広範囲虚血コア例に対する治療介入の判断や院内のワークフロー, 周術期管理法についても多様であり, 今後のエビデンス蓄積・コンセンサス確立による集約化が待たれる. 一方, 施設・地域における脳卒中診療体制, 人的資源などの環境はさまざまであり, 地域医療連携体制についてはそれぞれの環境に応じた柔軟かつ多様な対応が求められてい...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 32; no. 12; pp. 788 - 794
Main Author 榎本, 由貴子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経外科コングレス 2023
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.32.788

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Summary:急性脳主幹動脈閉塞症に対する血栓回収療法は, 複数のランダム化試験における有効性の証明と時間的な適応拡大により飛躍的に成長した. さまざまな血栓回収デバイスやテクニックが誕生し, その選択肢が多様化しているほか, グレードC1推奨の遠位部血管閉塞や後方循環系閉塞, 軽症例, 広範囲虚血コア例に対する治療介入の判断や院内のワークフロー, 周術期管理法についても多様であり, 今後のエビデンス蓄積・コンセンサス確立による集約化が待たれる. 一方, 施設・地域における脳卒中診療体制, 人的資源などの環境はさまざまであり, 地域医療連携体制についてはそれぞれの環境に応じた柔軟かつ多様な対応が求められている.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.32.788