セルペルカチニブ投与によりT3低下をきたした甲状腺癌5例の検討

選択的RET阻害薬であるセルペルカチニブは,RET遺伝子変異陽性の甲状腺髄様癌とRET融合遺伝子陽性の甲状腺癌に対し高い抗腫瘍効果と安全性が確認され,本邦では2022年2月に保険承認となった。セルペルカチニブによる甲状腺機能低下は,LIBRETTO-001試験では甲状腺癌患者の15%程度と報告されているが,われわれがセルペルカチニブ投与を行った甲状腺癌5症例では全例でT3低下を認めた。セルペルカチニブ治療の対象となる甲状腺癌患者は多くが甲状腺全摘後であることから,セルペルカチニブ投与によるT3低下をきたしやすいと考えられ,適切な甲状腺機能のモニタリングと甲状腺ホルモン補充が必要と考えられる。...

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Published in日本内分泌外科学会雑誌 Vol. 42; no. 1; pp. 50 - 55
Main Authors 山﨑, 春彦, 齋藤, 綾, 戸田, 宗治, 角谷, 芽依, 菅沼, 伸康, 岩崎, 博幸, 益戸, 功彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内分泌外科学会 2025
Subjects
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ISSN2434-6535
2758-8785
DOI10.11226/ojjaes.42.1_50

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Summary:選択的RET阻害薬であるセルペルカチニブは,RET遺伝子変異陽性の甲状腺髄様癌とRET融合遺伝子陽性の甲状腺癌に対し高い抗腫瘍効果と安全性が確認され,本邦では2022年2月に保険承認となった。セルペルカチニブによる甲状腺機能低下は,LIBRETTO-001試験では甲状腺癌患者の15%程度と報告されているが,われわれがセルペルカチニブ投与を行った甲状腺癌5症例では全例でT3低下を認めた。セルペルカチニブ治療の対象となる甲状腺癌患者は多くが甲状腺全摘後であることから,セルペルカチニブ投与によるT3低下をきたしやすいと考えられ,適切な甲状腺機能のモニタリングと甲状腺ホルモン補充が必要と考えられる。
ISSN:2434-6535
2758-8785
DOI:10.11226/ojjaes.42.1_50