解離性大動脈瘤血行動態モデリングの試み

【背景】解離性大動脈瘤では解離偽腔内に流入する血流がもたらす乱流による複雑な圧流量特性が観察される。治療効果と安全性を評価する上では血管内治療用の解離性大動脈瘤内の血圧血流速の医工学的モデリングが重要となっている。【目的】これまで解離性大動脈瘤の動物実験モデルを作成し血行動態の再現を行ってきた。本研究では動物実験から得られた超音波画像を基に解離性大動脈瘤血行動態のモデリングを目的としてそれらの解析手法に関して評価を進めた。【方法】〔動物解離モデル〕健常成山羊を麻酔下にて開胸し、下行大動脈の中枢側外膜を切開後、中膜を外科的に剥離し、血管開口部を切開し大動脈解離を作成した。〔モデル化手法・解析〕下...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S220_2
Main Authors 岩元, 直樹, 舘崎, 祐馬, 盛田, 良介, Yi, Qian, 白石, 泰之, 榛沢, 和彦, Andrew, Narracott, 井上, 雄介, 山田, 昭博, 山家, 智之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual57.S220_2

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Summary:【背景】解離性大動脈瘤では解離偽腔内に流入する血流がもたらす乱流による複雑な圧流量特性が観察される。治療効果と安全性を評価する上では血管内治療用の解離性大動脈瘤内の血圧血流速の医工学的モデリングが重要となっている。【目的】これまで解離性大動脈瘤の動物実験モデルを作成し血行動態の再現を行ってきた。本研究では動物実験から得られた超音波画像を基に解離性大動脈瘤血行動態のモデリングを目的としてそれらの解析手法に関して評価を進めた。【方法】〔動物解離モデル〕健常成山羊を麻酔下にて開胸し、下行大動脈の中枢側外膜を切開後、中膜を外科的に剥離し、血管開口部を切開し大動脈解離を作成した。〔モデル化手法・解析〕下行大動脈の超音波短軸像を血管長軸に沿って1mm毎の断層像とし、データの数値的再構成により形状モデルを構築した。作成したモデルを用いて模擬循環回路による流れ可視化と数値流体解析を行った。【まとめ】動物モデルでは臨床に近い形態と血流を再現できる一方、血管内治療の血行力学的評価については血流形態の差や計測誤差の課題がある。解離性大動脈瘤治療ではさまざまな医工学モデリング方法論で安全性評価が可能である。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S220_2