最近3年間に熊本の一診療所で経験された Microsporum canis 感染症25例の集計
最近3年間 (2008.1 - 2010.12) に熊本県の一診療所において Microsporum canis による白癬25例を経験した.当診療所を受診し直接鏡検で真菌要素を認め,真菌培養で M. canis と同定された白癬の25例を対象とした.症例は男性8例,女性17例で女性に多く,年齢は4歳から85歳,平均34.6歳であった.部位は,頭部5例,顔面8例,頚部5例,上肢8例,下肢5例,体幹5例で,露出部に多くみられた.皮疹の数は単発13例,多発12例であった.病型は体部白癬が21例,頭部白癬5例,両者の合併が1例あった.家族内発症を5組10例に認め,同胞2組,母子2組,祖母孫1組であっ...
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          | Published in | Medical Mycology Journal Vol. 52; no. 2; pp. 139 - 144 | 
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| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本医真菌学会
    
        2011
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 2185-6486 2186-165X  | 
| DOI | 10.3314/jjmm.52.139 | 
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| Summary: | 最近3年間 (2008.1 - 2010.12) に熊本県の一診療所において Microsporum canis による白癬25例を経験した.当診療所を受診し直接鏡検で真菌要素を認め,真菌培養で M. canis と同定された白癬の25例を対象とした.症例は男性8例,女性17例で女性に多く,年齢は4歳から85歳,平均34.6歳であった.部位は,頭部5例,顔面8例,頚部5例,上肢8例,下肢5例,体幹5例で,露出部に多くみられた.皮疹の数は単発13例,多発12例であった.病型は体部白癬が21例,頭部白癬5例,両者の合併が1例あった.家族内発症を5組10例に認め,同胞2組,母子2組,祖母孫1組であった.動物との接触歴があり,飼育動物が感染源と考えられた症例は24例 (ネコ23例,イヌ1例) で,9例は動物のヘアブラシ培養検査も陽性であった.治療は,単発例には抗真菌剤外用を,頭部白癬と体部白癬の多発例にはイトラコナゾールないし塩酸テルビナフィン2 ~ 14週内服と抗真菌剤外用を行った.M. canis による白癬の報告は近年減少しているが,現在でもネコなどのペットからの感染に注意すべきであると考えた. | 
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| ISSN: | 2185-6486 2186-165X  | 
| DOI: | 10.3314/jjmm.52.139 |