断面サイズの異なる矩形低応力ヒステリシス矯正用ニッケルチタン合金ワイヤーの3点曲げ特性の比較

低応力ヒステリシスを特徴とする超弾性型ニッケルチタン合金ワイヤーであるL&H® チタンアーチワイヤー(以下,LH)で新たに開発された0.020×0.025インチの矩形断面のワイヤー(以下,LH20×25)とLH従来品を含む試料7種類の3点曲げ特性を比較した.LH20×25は曲げにおいて断面サイズの小さな従前の2製品と同等の超弾性特性や応力ヒステリシスを有しており,術者が従前のLHと同様の操作で大型断面の同ワイヤーを使用でき,より大きな矯正力を付与可能と考えられた.加えて0.022×0.028インチのスロットを持つブラケットの場合でも,LH20×25の遊びはLH従来品の半分以下と小さいた...

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Published in日本歯科理工学会誌 Vol. 36; no. 6; pp. 470 - 477
Main Authors 小野, 卓史, 宇尾, 基弘, 塙, 隆夫, 前川, 南, 小山, 晃裕, 簡野, 瑞誠, 尾崎, 周作, 土居, 壽, 和田, 敬広, 島, 芳夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本歯科理工学会 25.11.2017
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ISSN1884-4421
2188-417X
DOI10.18939/jsdmd.36.6_470

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Summary:低応力ヒステリシスを特徴とする超弾性型ニッケルチタン合金ワイヤーであるL&H® チタンアーチワイヤー(以下,LH)で新たに開発された0.020×0.025インチの矩形断面のワイヤー(以下,LH20×25)とLH従来品を含む試料7種類の3点曲げ特性を比較した.LH20×25は曲げにおいて断面サイズの小さな従前の2製品と同等の超弾性特性や応力ヒステリシスを有しており,術者が従前のLHと同様の操作で大型断面の同ワイヤーを使用でき,より大きな矯正力を付与可能と考えられた.加えて0.022×0.028インチのスロットを持つブラケットの場合でも,LH20×25の遊びはLH従来品の半分以下と小さいため,精度や剛性の求められる最終調整局面で使用可能と考えられた.以上より,LH20×25はLHワイヤーの応用範囲を矯正歯科治療後期まで広げる可能性を持つものであることが示唆された.
ISSN:1884-4421
2188-417X
DOI:10.18939/jsdmd.36.6_470