甲状腺癌取扱い規約第9版における細胞診の改訂ポイント

細胞診はベセスダシステム第3版にほぼ準拠して微修正された。「濾胞上皮細胞」は「濾胞細胞」に,「好酸性細胞型濾胞性腫瘍」は「膨大細胞腫瘍」に名称が変更された。小濾胞状集塊にて乳頭癌の核所見が軽度みられる場合は意義不明ではなく,濾胞性腫瘍として報告されることになった。硝子化索状腫瘍は意義不明に分類されることになった。ベセスダシステムとの相違点において,区分の名称と乳頭癌の核所見がみられる濾胞性病変判定に関する記載が削除された。今後の改訂にあたっては,世界基準であるベセスダシステムとの整合性を保ちつつも,本邦での特殊性や利便性を考慮した報告様式を構築することに留意し,悪性の危険度や臨床的対応を盛り込...

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Published in日本内分泌外科学会雑誌 Vol. 41; no. 1; pp. 36 - 38
Main Author 廣川, 満良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内分泌外科学会 2024
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ISSN2434-6535
2758-8785
DOI10.11226/ojjaes.41.1_36

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Summary:細胞診はベセスダシステム第3版にほぼ準拠して微修正された。「濾胞上皮細胞」は「濾胞細胞」に,「好酸性細胞型濾胞性腫瘍」は「膨大細胞腫瘍」に名称が変更された。小濾胞状集塊にて乳頭癌の核所見が軽度みられる場合は意義不明ではなく,濾胞性腫瘍として報告されることになった。硝子化索状腫瘍は意義不明に分類されることになった。ベセスダシステムとの相違点において,区分の名称と乳頭癌の核所見がみられる濾胞性病変判定に関する記載が削除された。今後の改訂にあたっては,世界基準であるベセスダシステムとの整合性を保ちつつも,本邦での特殊性や利便性を考慮した報告様式を構築することに留意し,悪性の危険度や臨床的対応を盛り込むべきであろう。
ISSN:2434-6535
2758-8785
DOI:10.11226/ojjaes.41.1_36