近未来におけるJSPENの役割-栄養療法における課題と責務

日本静脈経腸栄養学会が近未来において果たすべき多くの社会的課題、臨床的課題、基礎的課題の中から主な5つの課題に焦点を当てて概説した。第一に日本の危機時における栄養管理上の予防対策を行政に一任するのではなく救急系の医学会との連携による行政への提言内容の統括、そして企業の協力の下、具体的な必要数値の顕性化の役割、第二は一般医療現場の医療者の教育のみならず、国際的に通用する研究レベルでの優秀な人材の育成・支援・プロモーションの重要性、第三に人工知能(artificial intelligence;以下、AIと略)の活用を中心とした医療支援機器の開発提言と応用者の人材育成の重要性、第四に栄養不良者の個...

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Published in日本静脈経腸栄養学会雑誌 Vol. 34; no. 5; pp. 297 - 304
Main Authors 鶴間, 哲弘, 及能, 依子, 竹政, 伊知朗, 藤野, 絋貴, 秋月, 恵美, 巽, 博臣, 太田, 盛道, 谷口, 香奈子, 信岡, 隆幸, 平田, 公一, 鈴木, 彩香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会 2019
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ISSN2189-0161
2189-017X
DOI10.11244/jspen.34.297

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Summary:日本静脈経腸栄養学会が近未来において果たすべき多くの社会的課題、臨床的課題、基礎的課題の中から主な5つの課題に焦点を当てて概説した。第一に日本の危機時における栄養管理上の予防対策を行政に一任するのではなく救急系の医学会との連携による行政への提言内容の統括、そして企業の協力の下、具体的な必要数値の顕性化の役割、第二は一般医療現場の医療者の教育のみならず、国際的に通用する研究レベルでの優秀な人材の育成・支援・プロモーションの重要性、第三に人工知能(artificial intelligence;以下、AIと略)の活用を中心とした医療支援機器の開発提言と応用者の人材育成の重要性、第四に栄養不良者の個別化治療を目指した分子生物学的予知因子の可能性を探った研究の現状紹介、第五に安全で正確な栄養管理の在り方と支援機器の可能性の紹介がその内容である。栄養に関わるヒトの教育は重要であるが、完璧性の限界を認知し、また複雑な人間関係に心情的課題発生を回避した体制作りに尽力を望む。
ISSN:2189-0161
2189-017X
DOI:10.11244/jspen.34.297