高分子製心臓代用弁の弁葉形態変化の高速度解析
『背景』小児の先天性心疾患の外科的治療方法として,ePTFE製右心系人工弁を用いた血行再建が行われている.ePTFE製弁について,国内の臨床では生体弁と比べても長期の臨床成績に優れることが示され,血栓形成や石灰化の問題が少ないとされる.この弁設計の基本仕様は,生体肺動脈の形状を模擬した三葉のfan-shaped弁と血管のValsalva形状を模擬するbulging sinusをもつことである.現在,弁葉設計指標と弁葉挙動を解析し評価系としての検討をしている.本研究の目的は,弁通流量と弁葉の厚みが及ぼす弁葉挙動の検討を行うことである.『方法』光造形で弁葉ホルダを作製し,ePTFE製弁葉を3枚装着...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S168_2 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual57.S168_2 |
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Summary: | 『背景』小児の先天性心疾患の外科的治療方法として,ePTFE製右心系人工弁を用いた血行再建が行われている.ePTFE製弁について,国内の臨床では生体弁と比べても長期の臨床成績に優れることが示され,血栓形成や石灰化の問題が少ないとされる.この弁設計の基本仕様は,生体肺動脈の形状を模擬した三葉のfan-shaped弁と血管のValsalva形状を模擬するbulging sinusをもつことである.現在,弁葉設計指標と弁葉挙動を解析し評価系としての検討をしている.本研究の目的は,弁通流量と弁葉の厚みが及ぼす弁葉挙動の検討を行うことである.『方法』光造形で弁葉ホルダを作製し,ePTFE製弁葉を3枚装着した弁葉試験系を作製し,弁葉の挙動を検証した.試験系はリニアアクチュエータを用いて駆動した.撮影方法として屈折率の変化が少なくなるように水中カメラを用いて実験を行った.カメラを2台視差が出るよう角度をつけ,対象物の中心をとらえるよう配置した.2台のカメラで同時に撮影を行った.得られた動画像から3次元解析を行った.『結果とまとめ』水中内での撮影による3次元解析の構築ができ,弁葉の挙動をモデリングできたことから弁葉の応力集中領域が求められる評価システムとして有用である. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual57.S168_2 |