模擬血管の非接触3次元位置推定法を利用した自動採血ロボットの開発

血液検査から様々な病気を予測・発見できることから,臨床現場では採血が頻繁に行われている。しかし,採血業務には,長い待ち時間による患者への負担,血液接触による医療従事者への感染症の危険,穿刺ミスによる神経損傷や皮下出血等の問題があり,採血の自動化が期待されている。そこで本研究では,皮膚の光学特性を考慮して模擬血管の簡易的な3次元位置推定方法を提案し,穿刺ロボットで穿刺針を模擬血管内に留置させる穿刺実験を行うことにより,非接触で自動採血を実現するシステムの有効性を検証する。模擬血管の3次元位置は,2台の赤外線カメラを利用し,模擬皮膚の光学的特性を考慮して推定する。穿刺ロボットは,穿刺針を直進させる...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S255_1
Main Authors 萱場, 広之, 遠藤, 善生, 長井, 力, 佐川, 貢一, 杉渕, 太称
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
Online AccessGet full text
ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual57.S255_1

Cover

More Information
Summary:血液検査から様々な病気を予測・発見できることから,臨床現場では採血が頻繁に行われている。しかし,採血業務には,長い待ち時間による患者への負担,血液接触による医療従事者への感染症の危険,穿刺ミスによる神経損傷や皮下出血等の問題があり,採血の自動化が期待されている。そこで本研究では,皮膚の光学特性を考慮して模擬血管の簡易的な3次元位置推定方法を提案し,穿刺ロボットで穿刺針を模擬血管内に留置させる穿刺実験を行うことにより,非接触で自動採血を実現するシステムの有効性を検証する。模擬血管の3次元位置は,2台の赤外線カメラを利用し,模擬皮膚の光学的特性を考慮して推定する。穿刺ロボットは,穿刺針を直進させるアクチュエータを搭載した産業用ロボットにより構成した。穿刺対象には,人間の腕の血管と同等の見え方となる皮膚モデルを自作し,その中に薄めた墨汁を通したシリコンチューブを模擬血管として埋め込んだ。模擬皮膚下の模擬血管の3次元位置を推定し,自動的に模擬血管に針を穿刺して墨汁がシリンジ内に取り込めるか実験により確認したところ,10回中10回とも模擬血管への穿刺に成功したことを確認した。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S255_1