ドーム型磁石を用いた磁気免疫染色における染色一様性の評価
磁石と抗体標識蛍光磁気ビーズを用いた磁気免疫染色法は、ビーズに内包されたフェライトを磁石により磁化し、組織切片上に素早く引き付けることで、抗原抗体反応を促進し、がん抗原の検出をわずか数分で可能とする。正確な診断を短時間で行うためには均一かつ強力な磁力によって、ビーズを空間的一様に組織切片へと引き付ける必要がある。本研究では、磁気免疫染色法においてドーム型形状の磁石を用いることを提案し、磁気免疫染色実験を実施し染色効果の確認を行った。 磁気ビーズの運動を数値解析した結果、典型的な円柱磁石では磁石中央と磁石端でビーズに生じる磁力が不均一になるために、空間一様性の高い染色ができないことが明らかとなっ...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S157_2 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual57.S157_2 |
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Summary: | 磁石と抗体標識蛍光磁気ビーズを用いた磁気免疫染色法は、ビーズに内包されたフェライトを磁石により磁化し、組織切片上に素早く引き付けることで、抗原抗体反応を促進し、がん抗原の検出をわずか数分で可能とする。正確な診断を短時間で行うためには均一かつ強力な磁力によって、ビーズを空間的一様に組織切片へと引き付ける必要がある。本研究では、磁気免疫染色法においてドーム型形状の磁石を用いることを提案し、磁気免疫染色実験を実施し染色効果の確認を行った。 磁気ビーズの運動を数値解析した結果、典型的な円柱磁石では磁石中央と磁石端でビーズに生じる磁力が不均一になるために、空間一様性の高い染色ができないことが明らかとなった。そこで、均一な磁力を発生させるドーム型磁石の設計と染色時間中の一様性の評価を実施し、直径30mmで高さ30mmの上面に曲率半径50mmの球面を有する磁石が最適であることを明らかとした。また、上皮成長因子受容体を高発現したヒト類表皮がん培養細胞の染色実験を実施し、ドーム型磁石は円柱磁石に比べて蛍光強度の変化の少ない空間一様性の高い染色が1分間で可能であることを示し、提案するドーム型磁石の有用性を明らかとした。 |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual57.S157_2 |