周期運動のモーションキャプチャデータとヒト身体のマルチ剛体リンクモデルを同化する新しいアルゴリズム

ヒト身体運動の制御メカニズムを探るうえで,モーションキャプチャシステム(MCS)を利用した身体動作解析は大変有効な手段である.MCSで計測された身体特徴点上に貼付されたマーカの時空間情報から身体各部位の位置および姿勢の時間変化を推定し,ヒト身体のマルチ剛体リンクモデルと同化することで,関節トルクをはじめとする神経制御メカニズムの理解に重要な手掛かりが得られる.貼付されたマーカの身体骨格に対する相対位置は,筋肉の膨隆や皮膚の変形によりしばしば変化する.これはSoft Tissue Artifact(STA)と呼ばれ,姿勢推定精度低下の一要因となる.STAの影響を除去あるいは軽減する姿勢推定アルゴ...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S237_2
Main Authors 川崎, 壮一朗, 鈴木, 康之, 野村, 泰伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual57.S237_2

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Summary:ヒト身体運動の制御メカニズムを探るうえで,モーションキャプチャシステム(MCS)を利用した身体動作解析は大変有効な手段である.MCSで計測された身体特徴点上に貼付されたマーカの時空間情報から身体各部位の位置および姿勢の時間変化を推定し,ヒト身体のマルチ剛体リンクモデルと同化することで,関節トルクをはじめとする神経制御メカニズムの理解に重要な手掛かりが得られる.貼付されたマーカの身体骨格に対する相対位置は,筋肉の膨隆や皮膚の変形によりしばしば変化する.これはSoft Tissue Artifact(STA)と呼ばれ,姿勢推定精度低下の一要因となる.STAの影響を除去あるいは軽減する姿勢推定アルゴリズムの開発が試みられているが,具体的な解決策は未だ見つかっていない.我々は先行研究で歩行のような周期運動中のSTAは周期的であることを明らかにした.本研究ではSTAの周期性に着目し,周期運動中に計測されたマーカデータからSTAの影響を除去して身体姿勢推定を行う新アルゴリズムを開発した.このアルゴリズムを利用した身体運動動作解析により,より精度の高い身体運動制御メカニズムの理解が期待される.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S237_2