ランドルト環Crowded Cardによる読み分け困難の検討-正常成人と正常小児

目的:読み分け困難の現象を捉えるために,ランドルト環Crowded Cardを試作しその有用性について検討した。対象と方法:対象は,正常成人8名と正常小児10名とした。正常成人は22~30歳,屈折度はS+0.5~S-2.25D,正常小児は6~10歳,屈折度はS+0.5~S-1.75Dであった。ランドルト環Crowded Cardは一辺が8.2cmの正八角形の紙製で,視標コントラストは87%であった。視標は切れ目幅が視角1分のランドルト環を用い,中央の視標に対し等距離の円周上に,同様のランドルト環視標を4個(以下4視標)と6個(以下6視標)配置した。中央の視標から周囲の視標までの間隔は,視標の直...

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Published inJapanese orthoptic journal Vol. 27; pp. 241 - 245
Main Authors 松本, 富美子, 大牟禮, 和代, 大鳥, 利文, 楠部, 亨, 田野上, 恭子, 若山, 曉美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 25.07.1999
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.27.241

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Summary:目的:読み分け困難の現象を捉えるために,ランドルト環Crowded Cardを試作しその有用性について検討した。対象と方法:対象は,正常成人8名と正常小児10名とした。正常成人は22~30歳,屈折度はS+0.5~S-2.25D,正常小児は6~10歳,屈折度はS+0.5~S-1.75Dであった。ランドルト環Crowded Cardは一辺が8.2cmの正八角形の紙製で,視標コントラストは87%であった。視標は切れ目幅が視角1分のランドルト環を用い,中央の視標に対し等距離の円周上に,同様のランドルト環視標を4個(以下4視標)と6個(以下6視標)配置した。中央の視標から周囲の視標までの間隔は,視標の直径の0.2,0.5,1,2,3,4,5,6倍までの計8種類とした。検査距離は5mとし,中央のランドルト環の方向を答えるように指示し,ランドルト環の方向をランダムに変え3/4の正答で判定した。結果:正常成人では,4視標,6視標ともに視標間隔が0.5倍直径のランドルト環Crowded Cardまで,正常小児では4視標,6視標ともに1倍直径のランドルト環Crowded Cardまで判別できた。正常小児より正常成人の方が,視標間隔の狭いランドルト環Crowded Cardまで判別できた。考按および結論:ランドルト環Crowded Cardは,読み分け困難を的確かつ簡便に評価できる検査表として有用である。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.27.241