山間地域の地域災害支援病院における多職種合同トリアージ訓練の実態と今後の課題

本研究は,多職種が合同で訓練を行うことで顕在化した課題を整理し,課題解決の手段を検討するための基礎資料を作ることを目的とした。 多職種合同トリアージ訓練実施後,197名を対象に質問紙調査を実施した。調査票の内容は,基本属性,災害への意識,訓練の評価で構成した。 訓練は概ね計画通りに実施できたとの評価が得られた。対象者の災害への意識は高いことがわかった。課題には【トリアージ知識と対応技術】等が挙げられた。 訓練によって,発災時の混乱の疑似体験を得,知識不足や対応体制といった改善すべき方向性が明らかになった。発災時に孤立しても地域内完結型の傷病者受け入れ対応が可能となるレベルを目指し,早急なる人材...

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Published in労働科学 Vol. 99; no. 1; pp. 17 - 26
Main Authors 関戸, 弘通, 深澤, 敏男, 太田, 正法, 清水, 真紀, 黒田, 梨絵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人大原記念労働科学研究所 2023
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ISSN0022-443X
2187-2570
DOI10.11355/isljsl.99.17

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Summary:本研究は,多職種が合同で訓練を行うことで顕在化した課題を整理し,課題解決の手段を検討するための基礎資料を作ることを目的とした。 多職種合同トリアージ訓練実施後,197名を対象に質問紙調査を実施した。調査票の内容は,基本属性,災害への意識,訓練の評価で構成した。 訓練は概ね計画通りに実施できたとの評価が得られた。対象者の災害への意識は高いことがわかった。課題には【トリアージ知識と対応技術】等が挙げられた。 訓練によって,発災時の混乱の疑似体験を得,知識不足や対応体制といった改善すべき方向性が明らかになった。発災時に孤立しても地域内完結型の傷病者受け入れ対応が可能となるレベルを目指し,早急なる人材育成とマニュアル整備,実装性ある訓練を継続する必要がある。
ISSN:0022-443X
2187-2570
DOI:10.11355/isljsl.99.17