Point of care testingによる早期がん発見用microRNA精製チップの開発
がんは早期発見により、5年生存率が80%を越える。血中microRNA (miRNA) は、発がん時に早期段階より発現異常を示す。また、がん種により、発現異常を示すmiRNAの種類が異なる。そのためmiRNA発現解析により、がんの早期発見だけでなく、原発組織の特定まで可能である。miRNAによるがん診断のためには、血液からのmiRNA精製及び定量が必要となるが、従来装置は巨大かつ高価であり、設置箇所が大型施設に制限され、早期発見に繋がりにくい。そのため、point of care testingの概念に基づいた、あらゆる現場でのがん検査を可能とするシステムの開発は必須である。当研究室ではこれま...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S275_2 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual57.S275_2 |
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Summary: | がんは早期発見により、5年生存率が80%を越える。血中microRNA (miRNA) は、発がん時に早期段階より発現異常を示す。また、がん種により、発現異常を示すmiRNAの種類が異なる。そのためmiRNA発現解析により、がんの早期発見だけでなく、原発組織の特定まで可能である。miRNAによるがん診断のためには、血液からのmiRNA精製及び定量が必要となるが、従来装置は巨大かつ高価であり、設置箇所が大型施設に制限され、早期発見に繋がりにくい。そのため、point of care testingの概念に基づいた、あらゆる現場でのがん検査を可能とするシステムの開発は必須である。当研究室ではこれまで、qRT-PCRによるmiRNA発現解析を可能とするマイクロデバイスの開発に成功している。本研究ではその上流にあたる、miRNAの精製を可能とするマイクロデバイスの開発に成功した。本デバイスは指先サイズでありながら、サンプルの添加、及び加熱のみで簡単にサンプル内のmiRNAを精製できる。また、デバイスは低コストで開発でき、使い捨てが可能であるため、コンタミネーションを防止できる。開発したmiRNA精製用マイクロデバイスを用い、肝臓がん細胞懸濁液からのmiRNA精製に成功した。 |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual57.S275_2 |