丹波-篠山地域の超丹波帯の岩相と丹波帯の遠洋深海相のPT境界

丹波-篠山地域には超丹波帯のペルム紀-三畳紀中期地質体,丹波帯の三畳紀後期-ジュラ紀地質体および白亜系陸成相の篠山層群等が分布している.篠山地域(兵庫県の丹波市南東部および丹波篠山市西部)の超丹波帯味間層はかつてペルム紀の地層を不整合に覆う中生界と考えられていたが,近年,ペルム紀の地層であることが明らかとなった.青垣地域(丹波市北部)に分布するチャート-砕屑岩シークエンスは,超丹波帯がペルム紀に形成された付加複合体と解釈できる根拠の1つである.また,超丹波帯が篠山層群に不整合で覆われることは,超丹波帯・丹波帯の地質構造を支配する正立褶曲の形成時期を決定する上で極めて重要な事象である.一方,菟原...

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Published in地質学雑誌 Vol. 129; no. 1; pp. 533 - 550
Main Authors 菅森, 義晃, 桑原, 希世子, 竹村, 静夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地質学会 28.10.2023
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ISSN0016-7630
1349-9963
DOI10.5575/geosoc.2023.0020

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Summary:丹波-篠山地域には超丹波帯のペルム紀-三畳紀中期地質体,丹波帯の三畳紀後期-ジュラ紀地質体および白亜系陸成相の篠山層群等が分布している.篠山地域(兵庫県の丹波市南東部および丹波篠山市西部)の超丹波帯味間層はかつてペルム紀の地層を不整合に覆う中生界と考えられていたが,近年,ペルム紀の地層であることが明らかとなった.青垣地域(丹波市北部)に分布するチャート-砕屑岩シークエンスは,超丹波帯がペルム紀に形成された付加複合体と解釈できる根拠の1つである.また,超丹波帯が篠山層群に不整合で覆われることは,超丹波帯・丹波帯の地質構造を支配する正立褶曲の形成時期を決定する上で極めて重要な事象である.一方,菟原地域(京都府福知山市南東部)の丹波帯にはパンサラッサの遠洋深海相であるペルム系-三畳系境界が存在し,これについて古生物学的検討や地球化学的検討がなされてきた.本巡検において,これらの中・古生界の露頭の一部を紹介し,ペルム紀から白亜紀にわたる地質構造発達史やペルム紀から三畳紀における環境変動について理解を深めたい.
ISSN:0016-7630
1349-9963
DOI:10.5575/geosoc.2023.0020