量子ナノ光学に基づくiPS細胞イメージングと再生医療への貢献

再生医療の安全性を担保し、治療効果を最大限に引き出すためには、移植後の幹細胞や再生細胞の生体内動態を正確に把握・診断する必要がある。しかし、これまでに臨床応用されている画像診断技術は組織・臓器を対象としたものがほとんどであり、細胞を対象としたイメージング診断技術の確立が急務の課題となっている。 我々は、量子サイズ効果に基づく非常に優れた光学特性(超高精細、超高感度、超長寿命、省エネ、低コスト)から通信・映像(4K・8Kディスプレイ)分野において既に実用化されている量子ドット(QDs)等の量子ナノ材料に注目し、再生医療における移植幹細胞 in vivo イメージングに取り組んできた。本手法は、幹...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S196_2
Main Author 湯川, 博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual57.S196_2

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Summary:再生医療の安全性を担保し、治療効果を最大限に引き出すためには、移植後の幹細胞や再生細胞の生体内動態を正確に把握・診断する必要がある。しかし、これまでに臨床応用されている画像診断技術は組織・臓器を対象としたものがほとんどであり、細胞を対象としたイメージング診断技術の確立が急務の課題となっている。 我々は、量子サイズ効果に基づく非常に優れた光学特性(超高精細、超高感度、超長寿命、省エネ、低コスト)から通信・映像(4K・8Kディスプレイ)分野において既に実用化されている量子ドット(QDs)等の量子ナノ材料に注目し、再生医療における移植幹細胞 in vivo イメージングに取り組んできた。本手法は、幹細胞や再生細胞を移植する再生医療の数多の領域に応用展開が可能であり、これまで未解明であった移植後の幹細胞・再生細胞の生体内動態を明らかにしつつある。本シンポジウムでは、量子ナノ光学に基づくiPS細胞イメージング技術に加え、最新の成果として、AMEDからの支援による再生医療実現拠点ネットワークプログラム技術開発個別課題において取り組んできた、再生医療の臨床研究を進める先生方との共同研究成果についても紹介する心算である。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S196_2