地震,津波,そして原子力災害に対し訓練はどう生かされたか

東日本大震災において,福島県立医科大学附属病院は基幹災害拠点病院として,そして原子力災害発生後は二次被ばく医療機関として,待ったの対応を迫られた.その中で実践に則したシミュレーションは大いに役立った.しかしながら今回の災害は,想像を絶する災害であり,多くの面で想定を超えたものであった.想定を超えるから災害が起こるのであって,いかに準備しようとも,完全な対応は不可能と思える.起こってしまったときに,いかに迅速に的確な対応をとれるかが,被害を最小限に抑える鍵であり,その鍵をかたどるのは個人の力ではとうてい及ばず,人の和の力である.そして,人の和を結集する鍵は調整であり,その調整を学ぶ場が望まれる....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 33; no. 1; pp. 126 - 130
Main Authors 長谷川, 有史, 塚田, 泰彦, 池上, 之浩, 島田, 二郎, 田勢, 長一郎, 飯田, 裕司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2013
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.33.126

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Summary:東日本大震災において,福島県立医科大学附属病院は基幹災害拠点病院として,そして原子力災害発生後は二次被ばく医療機関として,待ったの対応を迫られた.その中で実践に則したシミュレーションは大いに役立った.しかしながら今回の災害は,想像を絶する災害であり,多くの面で想定を超えたものであった.想定を超えるから災害が起こるのであって,いかに準備しようとも,完全な対応は不可能と思える.起こってしまったときに,いかに迅速に的確な対応をとれるかが,被害を最小限に抑える鍵であり,その鍵をかたどるのは個人の力ではとうてい及ばず,人の和の力である.そして,人の和を結集する鍵は調整であり,その調整を学ぶ場が望まれる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.33.126