In situハイブリダイゼーション法によるMDV ICP4転写物の検出

ヒト単純ヘルペスウイルスのICP4遺伝子のホモローグは多くのヘルペスウイルスでその産物がウイルス活性化に重要であることが知られている. 著者らは, In situハイブリダイゼーション(ISH)法を用いて, マレック病ウイルス血清型1のICP4ホモローグ(MDV1 ICP4)遺伝子の転写物を検出した. digoxigenin標識cRNAプローブを用い, CPEが90%となったマレック病ウイルス血清型1 (MDV1)感染鶏胚線維芽細胞のうち90%およびMDCC-MSB-1(MSB-1)のうち0.35%の細胞においてMDV1 ICP4遺伝子の転写物が検出された. MSB-1でMDV1 ICP4遺伝...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 58; no. 10; pp. 969 - 975
Main Authors 岩崎, 俊夫, 佐藤, 文昭, 守村, 敏文, 林, 正信, 昆, 泰寛, 超, 庚五, 遠藤, 大二
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 日本獣医学会 1996
Online AccessGet full text
ISSN0916-7250
1347-7439
DOI10.1292/jvms.58.10_969

Cover

More Information
Summary:ヒト単純ヘルペスウイルスのICP4遺伝子のホモローグは多くのヘルペスウイルスでその産物がウイルス活性化に重要であることが知られている. 著者らは, In situハイブリダイゼーション(ISH)法を用いて, マレック病ウイルス血清型1のICP4ホモローグ(MDV1 ICP4)遺伝子の転写物を検出した. digoxigenin標識cRNAプローブを用い, CPEが90%となったマレック病ウイルス血清型1 (MDV1)感染鶏胚線維芽細胞のうち90%およびMDCC-MSB-1(MSB-1)のうち0.35%の細胞においてMDV1 ICP4遺伝子の転写物が検出された. MSB-1でMDV1 ICP4遺伝子転写物の検出された比率は, MDV1抗原陽性が報告されている細胞の比率と近い値を示した. 前述のISH法を用い, 著者らは感染鶏の羽包上皮ならびに肝臓, 腎臓および末梢神経内のリンパ様細胞においてMDV1 ICP4遺伝子転写物を検出した. これらの細胞のうち, MSB-1では主として核に, 感染鶏胚線維芽細胞および羽包上皮では核および細胞質に, そしてリンパ様細胞では主として細胞質にMDV1 ICP4遺伝子転写物が検出された. 羽包上皮および肝臓内のリンパ様細胞におけるMDV1 ICP4遺伝子の転写はRT-PCR法を用いて確認された. これらの知見から, digoxigenin標識cRNAプローブを用いたISH法がパラフィン切片上におけるMDV1 ICP4遺伝子発現細胞とその細胞内局在を検出するために有効であることが示唆された.
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.58.10_969