ネコにおける蛋白摂取負荷による腎予備能の評価

初期CKDのネコへの麻酔や化学療法後にCKDの急性増悪やAKIに陥ることがあるが、従来法でその予後予測は困難である。ヒトでは、急速蛋白摂取によるGFR上昇を腎予備能(RFR)とし残存する全腎機能の評価法が提案されている。RFRはネコのCKD予後やAKIリスクを予測するツールとなりうるが、報告がないため、基礎研究として測定方法の確立を目的とした。正常ネコ4頭で測定条件を検討後、血中Cre濃度1.6mg/dl未満の10頭で蛋白摂取前後のGFRを外因性Ccr法で測定した。高蛋白食を摂取させた場合、GFRは3.5時間後にピークとなった。10頭中8頭で負荷後 GFRの上昇が認められ、蛋白摂取がネコのGF...

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Published in日本獣医腎泌尿器学会誌 Vol. 14; no. 1; pp. 12 - 18
Main Author 庄司, 泰盛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本獣医腎泌尿器学会 31.03.2023
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ISSN1883-2652
2434-0146
DOI10.24678/javnu.14.1_12

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Summary:初期CKDのネコへの麻酔や化学療法後にCKDの急性増悪やAKIに陥ることがあるが、従来法でその予後予測は困難である。ヒトでは、急速蛋白摂取によるGFR上昇を腎予備能(RFR)とし残存する全腎機能の評価法が提案されている。RFRはネコのCKD予後やAKIリスクを予測するツールとなりうるが、報告がないため、基礎研究として測定方法の確立を目的とした。正常ネコ4頭で測定条件を検討後、血中Cre濃度1.6mg/dl未満の10頭で蛋白摂取前後のGFRを外因性Ccr法で測定した。高蛋白食を摂取させた場合、GFRは3.5時間後にピークとなった。10頭中8頭で負荷後 GFRの上昇が認められ、蛋白摂取がネコのGFRを上昇させる可能性が示唆された。しかし、腎機能低下以外の要因で2頭の負荷後GFRが低下していたため、条件設定の修正が必要と思われ、今後は測定方法の再検討ならびにRFRの評価を行う予定である。
ISSN:1883-2652
2434-0146
DOI:10.24678/javnu.14.1_12