地域在住自立高齢者におけるフレイルの実態と関連要因
目的:地域在住自立高齢者におけるフレイルの実態および関連要因を明らかにするとともに,地域におけるフレイルの一次予防に向けた実践への示唆を得ることである.方法:研究対象者は地域在住65歳以上で介護保険の認定を受けていない高齢者であって,A市B区の区役所等において公募に応じた68人を対象に無記名自記式質問紙調査と身体・認知機能測定を実施した.調査項目は基本属性,フレイル指標,個人要因(BMI,FAB,主観的健康感,抑うつ,自尊感情,主観的幸福感),環境要因(つきあいの頻度,地域コミットメント,世代性関心)である.分析方法はフレイル指標と有意な関連(p<0.05)のみられた変数のうち,多重共線性(ρ...
Saved in:
Published in | 日本地域看護学会誌 Vol. 19; no. 3; pp. 15 - 23 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本地域看護学会
2016
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-9657 2432-0803 |
DOI | 10.20746/jachn.19.3_15 |
Cover
Summary: | 目的:地域在住自立高齢者におけるフレイルの実態および関連要因を明らかにするとともに,地域におけるフレイルの一次予防に向けた実践への示唆を得ることである.方法:研究対象者は地域在住65歳以上で介護保険の認定を受けていない高齢者であって,A市B区の区役所等において公募に応じた68人を対象に無記名自記式質問紙調査と身体・認知機能測定を実施した.調査項目は基本属性,フレイル指標,個人要因(BMI,FAB,主観的健康感,抑うつ,自尊感情,主観的幸福感),環境要因(つきあいの頻度,地域コミットメント,世代性関心)である.分析方法はフレイル指標と有意な関連(p<0.05)のみられた変数のうち,多重共線性(ρ≧0.65)を考慮し選択された変数を独立変数とし,フレイル指標を従属変数とした重回帰分析を行った.結果:対象者の平均年齢は76.3±6.1歳,女性45人(66.2%)であり,フレイルは3人(4.4%),プレフレイルは39人(57.4%),ノンフレイルは26人(38.2%)であった.フレイルに有意に関連していた要因は個人要因の主観的幸福感(β=-0.306,p=0.006),環境要因の世代性関心(β=-0.410,p<0.001)であった.考察:地域在住自立高齢者におけるフレイルの一次予防に対しては,高齢者個人の主観的幸福感を高めるとともに,世代性関心を高めるような環境づくりを検討していくことが重要である. |
---|---|
ISSN: | 1346-9657 2432-0803 |
DOI: | 10.20746/jachn.19.3_15 |