自己炎症性疾患の新展開

自己炎症性疾患は,炎症病態を主病態とする遺伝性疾患である.自己炎症性疾患の原因遺伝子として自然免疫系特にパターン認識受容体及びその関連遺伝子が報告されている.臨床的には原因不明発熱,関節炎・関節痛,発疹等を特徴とし,慢性疾患としての経過をとることが多く,リウマチ・膠原病専門医が遭遇する事も多い疾患である.本総説では,自己炎症性疾患の本邦の特徴を記述するとともに,その問題点を整理した.また,本邦の自己炎症性疾患の問題点を解決するために平成24年度に採択された厚労省難治性疾患克服研究事業,“自己炎症疾患およびその類縁疾患に対する診療基盤の確立”研究班の概略を述べ,自己炎症性疾患診療におけるunme...

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Published in臨床リウマチ Vol. 26; no. 2; pp. 79 - 87
Main Authors 粟屋, 美絵, 八角, 高裕, 中川, 権史, 河合, 朋樹, 西小森, 隆太, 平家, 俊男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床リウマチ学会 2014
The Japanese Society for Clinical Rheumatology and Related Research
Subjects
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ISSN0914-8760
2189-0595
DOI10.14961/cra.26.79

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Summary:自己炎症性疾患は,炎症病態を主病態とする遺伝性疾患である.自己炎症性疾患の原因遺伝子として自然免疫系特にパターン認識受容体及びその関連遺伝子が報告されている.臨床的には原因不明発熱,関節炎・関節痛,発疹等を特徴とし,慢性疾患としての経過をとることが多く,リウマチ・膠原病専門医が遭遇する事も多い疾患である.本総説では,自己炎症性疾患の本邦の特徴を記述するとともに,その問題点を整理した.また,本邦の自己炎症性疾患の問題点を解決するために平成24年度に採択された厚労省難治性疾患克服研究事業,“自己炎症疾患およびその類縁疾患に対する診療基盤の確立”研究班の概略を述べ,自己炎症性疾患診療におけるunmet needsの解消に向けた今後の対策について言及した.
ISSN:0914-8760
2189-0595
DOI:10.14961/cra.26.79