深層学習を用いたメラノーマの病変部抽出

これまでの知見により、メラノーマの自動診断に関し、色素病変画像から病変部のみを抽出することで、正診率が改善することがわかっている。そこで本研究では、高精度の病変抽出を目的とした、深層学習を用いたシステムの開発を試みる。本研究ではメラノーマの診断に広く使用されている色素病変撮影装置、ダーモスコープを用いたダーモスコピー画像を対象とする。本研究で用いるダーモスコピー画像のデータセットは撮影条件が画像によって異なる。特に多くの画像でダーモスコピーの光学系に起因する縁が映りこんでしまっている。縁の有無により抽出性能が低下することが判明したため、本研究ではすべてのダーモスコピー画像に同じサイズの縁を付与...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual61; no. Abstract; p. 267_2
Main Authors 花崎, 和寿, 永岡, 隆, 飛塚, 丈輝, 張, 維倫, 北畠, 直人, 正木, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual61.267_2

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Summary:これまでの知見により、メラノーマの自動診断に関し、色素病変画像から病変部のみを抽出することで、正診率が改善することがわかっている。そこで本研究では、高精度の病変抽出を目的とした、深層学習を用いたシステムの開発を試みる。本研究ではメラノーマの診断に広く使用されている色素病変撮影装置、ダーモスコープを用いたダーモスコピー画像を対象とする。本研究で用いるダーモスコピー画像のデータセットは撮影条件が画像によって異なる。特に多くの画像でダーモスコピーの光学系に起因する縁が映りこんでしまっている。縁の有無により抽出性能が低下することが判明したため、本研究ではすべてのダーモスコピー画像に同じサイズの縁を付与し、病変部を抽出する。本研究ではメラノーマを含む色素病変2594例を対象とする。すべての色素病変画像には、皮膚科専門医による病変部の正解データがセットされている。深層学習モデルにはU-Netを使用する。評価指標として、Jaccard係数を採用する。縁と病変部、それ以外の2クラス分類では、縁が統一されていないデータセットではJaccard係数が0.671、縁を付与したデータセットでは0.832であった。さらに、病変部、縁、それ以外の3クラス分類を実施した結果では、Jaccard係数は0.863であった。本研究によって、ダーモスコピー画像に特有の縁を考慮することで、抽出性能が向上することが判明した。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.267_2