マルチアングルドプラ法による平面波・集束波イメージングの血流速度ベクトル推定精度評価

頸動脈病変は生活習慣病や動脈閉塞性疾患と深い関係があり,超音波診断では血流計測によって狭窄病変の狭窄率を推定することが可能である.従来の血流速度推定は角度に依存するため,それを克服したマルチアングルドプラ法が提案された.本研究では,平面波イメージング(PWI)と並列送信イメージング(MLTI)での血流速度ベクトルの推定精度評価を行った. 本研究では,PWIでは送受信どちらもビーム偏向を行い,MLTIでは受信でのみDASによるビーム偏向を行った.速度ベクトルの推定は各ビーム方向速度から得た縦・横方向速度から最小二乗法で算出した. 本研究では,COMSOL Multiphysics,MATLAB,...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual61; no. Abstract; p. 274_1
Main Authors 茂澄, 倫也, 大村, 眞朗, 鈴木, 康平, 長岡, 亮, 八巻, 大輔, 長谷川, 英之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual61.274_1

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Summary:頸動脈病変は生活習慣病や動脈閉塞性疾患と深い関係があり,超音波診断では血流計測によって狭窄病変の狭窄率を推定することが可能である.従来の血流速度推定は角度に依存するため,それを克服したマルチアングルドプラ法が提案された.本研究では,平面波イメージング(PWI)と並列送信イメージング(MLTI)での血流速度ベクトルの推定精度評価を行った. 本研究では,PWIでは送受信どちらもビーム偏向を行い,MLTIでは受信でのみDASによるビーム偏向を行った.速度ベクトルの推定は各ビーム方向速度から得た縦・横方向速度から最小二乗法で算出した. 本研究では,COMSOL Multiphysics,MATLAB,Field II (Jensen, Med. Bio. Eng. Comput., 34(1.1), pp. 351-353, 1996. Jensen and Svendsen, IEEE Trans. UFFC, 39, pp. 262-267, 1992.)でファントムを作成しシミュレーションした.  プラーク無しでは推定精度はややMLTIが優れており,プラークサイズが大きくなるほどPWIが顕著に悪化しMLTIの優位性が高まった. シミュレーションにより定常流における血流速度ベクトル推定でのMLTIの優位性が示された.今後はより生体に近い拍動流でのシミュレーションで精度評価を行う.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.274_1