AutoMLを用いたメラノーマ診断システムのデータ加増による性能向上

メラノーマとは、皮膚に生じる悪性腫瘍の一種である。早期メラノーマは完治が可能であるため、早期発見・治療が重要な疾病である。しかし、早期メラノーマの見た目は良性病変(ほくろ)と酷似しているため、正しく診断することは困難である。したがって、高精度かつ定量的にメラノーマを診断できる手法が求められている。しかしながら、メラノーマの病変を大量に収集することも困難であり、何らかの方法でデータを加増する必要がある。本研究の先行研究として、深層学習とデータ加増の手法を組み合わせることで、メラノーマを85 %の正診率で自動診断できるシステムが開発された。さらにAutomated Machine Learning...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual61; no. Abstract; p. 298_2
Main Authors 花崎, 和寿, 北畠, 直人, 張, 維倫, 飛塚, 丈輝, 正木, 達也, 永岡, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
Online AccessGet full text
ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual61.298_2

Cover

More Information
Summary:メラノーマとは、皮膚に生じる悪性腫瘍の一種である。早期メラノーマは完治が可能であるため、早期発見・治療が重要な疾病である。しかし、早期メラノーマの見た目は良性病変(ほくろ)と酷似しているため、正しく診断することは困難である。したがって、高精度かつ定量的にメラノーマを診断できる手法が求められている。しかしながら、メラノーマの病変を大量に収集することも困難であり、何らかの方法でデータを加増する必要がある。本研究の先行研究として、深層学習とデータ加増の手法を組み合わせることで、メラノーマを85 %の正診率で自動診断できるシステムが開発された。さらにAutomated Machine Learning(Auto ML)と呼ばれる機械学習の一部を自動化する手法を採用することで、データ加増無しでも87 %まで正診率が向上することが確認されている。本研究では、Auto MLにデータ加増やデータの前処理を組み合わせ、さらなる正診率の向上に取り組む。データ加増として画像の回転と反転、データの前処理としてヒストグラム平坦化を採用し、正診率の変化を検証する。データ加増を適用した結果、正診率に有意な向上は確認されなかった。よって回転等の比較的単純な加増で得られる情報は、Auto MLによって生成される深層学習モデルにはあまり寄与しないことがわかった。データの前処理による正診率の変化については今後報告する。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.298_2