深層学習を用いたメラノーマ診断システムのデータ加増による性能向上

メラノーマとは、皮膚に生じる悪性腫瘍の一種である。他の腫瘍同様、早期発見・治療が重要な疾病であるが、早期のメラノーマの見た目は良性の色素性病変と酷似しているため、正しく診断することは困難である。したがって、高精度かつ定量的にメラノーマを診断できる手法が求められる。深層学習には多くの学習データが必要である。しかし膨大なメラノーマの画像を収集することは困難である。本研究では、各種画像加増の手法を組み合わせ、深層学習を用いたメラノーマの自動診断システムの正診率向上に取り組む。画像加増の手法として、回転や上下左右反転等の単純な加増、パッチ加増の一種であるRICAP、複数の画像を混ぜ合わせるMIXUP、...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 253_1
Main Authors 北畠, 直人, 飛塚, 丈輝, 花﨑, 和寿, 正木, 達也, 永岡, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual60.253_1

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Summary:メラノーマとは、皮膚に生じる悪性腫瘍の一種である。他の腫瘍同様、早期発見・治療が重要な疾病であるが、早期のメラノーマの見た目は良性の色素性病変と酷似しているため、正しく診断することは困難である。したがって、高精度かつ定量的にメラノーマを診断できる手法が求められる。深層学習には多くの学習データが必要である。しかし膨大なメラノーマの画像を収集することは困難である。本研究では、各種画像加増の手法を組み合わせ、深層学習を用いたメラノーマの自動診断システムの正診率向上に取り組む。画像加増の手法として、回転や上下左右反転等の単純な加増、パッチ加増の一種であるRICAP、複数の画像を混ぜ合わせるMIXUP、単純なパッチ加増の4種類の効果を検証する。ネット上で公開されているダーモスコピー画像データセットを用いる。その結果、RICAPを適用する場合で82%、単純なパッチ加増のみを適用することで87%の正診率が得られた。ダーモスコピー画像は病変部が中央部に集まりやすいため、自然画像での加増とは異なる傾向が確認された。他の加増手法を組み合わせることで、正診率がどのように変化するかを検証することが今後の課題である。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual60.253_1