洞不全症候群を合併した発作性心房細動に対する 肺静脈隔離術の有用性について

背景:発作性心房細動停止時に長い洞停止を呈する症例は徐脈頻脈症候群 (BTS) と診断され,その治療はペースメーカー植込みと抗不整脈薬の併用となることが多い.BTS に対して,カテーテルアブレーション (CA)による心房細動 (AF) 治療により,徐脈頻脈症候群の根治が可能であったとの報告が散見される.今回,著者らは当科で経験した BTS に対する CA の成績を報告する.方法:AF に対して CA を施行した BTS10 症例の経過を検討した.結果:4 症例では,肺静脈隔離以外に左房に対するCA も要した.1 症例では,AF が再発したため,再セッションを要した.平均 28±7 カ月の経過観...

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Published in日大医学雑誌 Vol. 78; no. 2; pp. 105 - 110
Main Authors 磯, 一貴, 園田, 和正, 渡辺, 一郎, 古川, 力丈, 大久保, 公恵, 黒川, 早矢香, 永嶋, 孝一, 渡邉, 隆太, 平山, 篤志, 奥村, 恭男, 若松, 雄治, 高橋, 啓子, 新井, 将, 中井, 俊子, 國本, 聡, 戸坂, 俊雅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.04.2019
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ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.78.2_105

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Summary:背景:発作性心房細動停止時に長い洞停止を呈する症例は徐脈頻脈症候群 (BTS) と診断され,その治療はペースメーカー植込みと抗不整脈薬の併用となることが多い.BTS に対して,カテーテルアブレーション (CA)による心房細動 (AF) 治療により,徐脈頻脈症候群の根治が可能であったとの報告が散見される.今回,著者らは当科で経験した BTS に対する CA の成績を報告する.方法:AF に対して CA を施行した BTS10 症例の経過を検討した.結果:4 症例では,肺静脈隔離以外に左房に対するCA も要した.1 症例では,AF が再発したため,再セッションを要した.平均 28±7 カ月の経過観察中,9 症例では AF の再発を認めず,徐脈に基づく症状も認めず,ペースメーカーの植込みを回避出来た.他の 1 症例では,AF の再発は認めなかったが,持続する洞徐脈,洞停止を認めたため,ペースメーカー植込みを施行した.結語:BTS に対する CA は AF 及びその停止時に出現する洞停止の双方に有効な治療法である.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.78.2_105