無電化地域での核酸解析実施によるウィルス早期感染検査を達成する「NEC-LAMP」ポータブルデバイスの開発
感染症は発展途上国の主要な死因であり、早期感染検査技術の提供が急務である。しかし発展途上国は無電化地域が多く、従来の電気的制御が必須な検査装置の導入が困難である。更に感染拡大や重篤化防止のために、感染患者の早期検出は必須であるが、未発症段階患者が検査施設を訪れる可能性は低く、早期発見に繋がりにくい。そのため電気的制御を使用せず、感染早期段階より特異的なウィルス検出が可能なポータブルデバイスの開発が必須である。本研究では、核酸解析手法の一つであるLoop-mediated Isothermal Amplification(LAMP)法を、電気的制御を用いずに実施できる新手法「Non-Electr...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 213_1 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual62.213_1 |
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Summary: | 感染症は発展途上国の主要な死因であり、早期感染検査技術の提供が急務である。しかし発展途上国は無電化地域が多く、従来の電気的制御が必須な検査装置の導入が困難である。更に感染拡大や重篤化防止のために、感染患者の早期検出は必須であるが、未発症段階患者が検査施設を訪れる可能性は低く、早期発見に繋がりにくい。そのため電気的制御を使用せず、感染早期段階より特異的なウィルス検出が可能なポータブルデバイスの開発が必須である。本研究では、核酸解析手法の一つであるLoop-mediated Isothermal Amplification(LAMP)法を、電気的制御を用いずに実施できる新手法「Non-Electrical Controlled LAMP (NEC-LAMP)」を用いた早期感染検出を可能とするポータブルデバイスを開発した。手のひらサイズの装置は、従来装置の1/50以下の試薬量で、最大9種のウィルスを検出できる。更に、サブマイクロリットルスケールサンプルを簡単な手順で操作できるディスペンサシステムの開発に成功した。本装置の最大の特徴として、水の添加操作のみでLAMP法を実行できる。これにより、非電化地域を含む様々な現場での低コスト感染検査が可能となる。また、断熱容器の中で反応を行うため、周辺環境に依存せず、均一な検査を実施できる。開発装置により、数種類のウィルスの特異的な検出に成功した。 |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual62.213_1 |