ステントグラフト内に拍動流で水を流した状態における復元弾性力の測定方法と評価

【目的】弓部大動脈内に留置したステントグラフト(SG)には心臓から拍出される拍動流の血液が絶えず流れており、壁に衝突を繰り返している。すなわち、SG内に血液が流れていない時と流れている時では、SBFに大きな違いが生じている可能性があるが、SG内に拍動流を流した状態でSBFを測定した報告例は見当たらない。そこで我々は、SG内に大動脈と同等の弾性率を有する人工血管を挿入し、そこに心臓からの拍出を模擬した拍動流を流した状態でのSBFの測定を試みた。【方法】内径34mmのSG内に外径32mm×内径28mmのヒト大動脈の弾性率と同等の弾性率を有するクリスタルゲル製の人工血管を挿入した。それを片持ち梁で水...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 331_1
Main Authors 本橋, 由香, 稲葉, 佑, 飯田, 泰功, 三堀, 雅弥, 山内, 忍, 佐藤, 敏夫, 奥, 知子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
Online AccessGet full text
ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.331_1

Cover

More Information
Summary:【目的】弓部大動脈内に留置したステントグラフト(SG)には心臓から拍出される拍動流の血液が絶えず流れており、壁に衝突を繰り返している。すなわち、SG内に血液が流れていない時と流れている時では、SBFに大きな違いが生じている可能性があるが、SG内に拍動流を流した状態でSBFを測定した報告例は見当たらない。そこで我々は、SG内に大動脈と同等の弾性率を有する人工血管を挿入し、そこに心臓からの拍出を模擬した拍動流を流した状態でのSBFの測定を試みた。【方法】内径34mmのSG内に外径32mm×内径28mmのヒト大動脈の弾性率と同等の弾性率を有するクリスタルゲル製の人工血管を挿入した。それを片持ち梁で水平に固定し、試験機で上部から10mm押し込んだ状態でSBFを測定した。次に、人工血管の両端にシリコンゴム製のチューブを接続し、人工血管内に定常流を流した場合と、拍動流ポンプを使ってヒトの心拍動を模擬した拡張期圧/収縮期圧=80/120mmHgの拍動流を流した場合におけるSBFの変化を測定した。【結果及び考察】人工血管内に何も流さない場合と、定常流を流した場合におけるSBFを比較すると、定常流を流した場合の方がSBFは増加することが確認できた。また、拍動流の場合、拡張期にはSBFが減少し、収縮期にはSBFが増加することから、SBFが周期的に振動する様子が観察できた。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.331_1