光電脈波信号と深層学習を用いたロバストな心房細動検出のための学習パイプラインの設計

光電脈波法(PPG)による信号は、心電図(ECG)と生理的な起源が類似していることから心房細動の検出に適している可能性がある。このことから光電脈波法のピーク間隔を心房細動検出に利用できる可能性を示した先行研究がいくつかある。しかし、実用においては心房細動検出器の精度を追求するだけでなく、同じ不整脈でも脈波の現れ方に個人差があり、サブタイプが存在することから、その汎化性能に留意する必要がある。また、心房細動と正常洞調律の2値分類では、心房細動と異所性拍動の類似性を考慮していない。本研究は、心房細動検出を複数クラス分類問題として設定し、入力形式、ハイパーパラメータ最適化を含む深層学習モデル、転移学...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual61; no. Abstract; p. 112_1
Main Authors 工藤, 創大, 黄, 銘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual61.112_1

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Summary:光電脈波法(PPG)による信号は、心電図(ECG)と生理的な起源が類似していることから心房細動の検出に適している可能性がある。このことから光電脈波法のピーク間隔を心房細動検出に利用できる可能性を示した先行研究がいくつかある。しかし、実用においては心房細動検出器の精度を追求するだけでなく、同じ不整脈でも脈波の現れ方に個人差があり、サブタイプが存在することから、その汎化性能に留意する必要がある。また、心房細動と正常洞調律の2値分類では、心房細動と異所性拍動の類似性を考慮していない。本研究は、心房細動検出を複数クラス分類問題として設定し、入力形式、ハイパーパラメータ最適化を含む深層学習モデル、転移学習のスキームの観点から、分類器の精度と汎化性能の両方に有利な学習パイプラインを提案するものである。パイプラインの構成要素の可能な組み合わせを厳密に比較した結果、入力形式として心拍シーケンスの一次差分、学習モデルとして2層CNNと1層Transformer からなるモデル、転移学習の実装方式としてモデル全体のファインチューニングがパイプラインの最適解であることを確認した。またこれにより心房細動、異所性拍動、正常洞調律の3クラス分類においてマクロF1値0.80、精度0.87を達成した。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.112_1