風が発生した低温環境における輸液の温度低下防止策の検討

【目的】冬季の北海道内においてドクターヘリの救助活動中、屋外で輸液を投与し、輸液が凍結した事例がある。そこで、先行研究では目標温度を34℃以上に設定し、低温環境における輸液の温度低下防止策を検討した。その結果、輸液の加温条件などを明らかにした。屋外現場では、風が発生することが想定されるが、実験室では風が発生していない。風が発生すると温度低下は更に速くなることが予想されるため、風が発生した際の輸液の温度低下防止策を検討した。【方法】長さ200cmの輸液チューブと100cmのエックステンションチューブを三方活栓で接続した輸液回路を使用した。風は、札幌市の平均風速が一番高い月に近い5m/sとした。温...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 247_1
Main Authors 菅原, 俊継, 印藤, 智一, 大西, 新介, 村林, 和真, 清水, 久恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.247_1

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Summary:【目的】冬季の北海道内においてドクターヘリの救助活動中、屋外で輸液を投与し、輸液が凍結した事例がある。そこで、先行研究では目標温度を34℃以上に設定し、低温環境における輸液の温度低下防止策を検討した。その結果、輸液の加温条件などを明らかにした。屋外現場では、風が発生することが想定されるが、実験室では風が発生していない。風が発生すると温度低下は更に速くなることが予想されるため、風が発生した際の輸液の温度低下防止策を検討した。【方法】長さ200cmの輸液チューブと100cmのエックステンションチューブを三方活栓で接続した輸液回路を使用した。風は、札幌市の平均風速が一番高い月に近い5m/sとした。温度測定に熱電対を使用し、輸液バッグと回路末端の温度を測定開始直後から1分毎に10分間測定した。温度低下防止策は、アルミ保温シートによる輸液バッグの防風やヒータによる輸液回路の加温を行った。【結果】回路末端の温度は、輸液バッグを防風した際には、測定開始時に30.4℃、10分経過時に0.6℃となった。輸液回路を加温した際には、測定開始時に31.8℃、10分経過時に21.2℃となった。このことから、目標温度には達しなかったが、一定の加温効果が得られた。【まとめ】風が発生した低温環境であっても、輸液回路を加温することで一定の効果が得られることが明らかとなった。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.247_1