高齢がん患者に対する手術治療と栄養療法 ①食道がん手術

胸部食道がん根治手術の周術期早期回復プログラムの高齢者に対する運用の実際と課題について述べ、高齢がん患者に対する手術治療と栄養療法の考察を加えた。周術期管理において軸となることは、早期離床、早期経腸栄養、多職種チーム医療である。高齢者に対しては、よりその重要性が増すと考えられる。当院での高齢者に対する胸部食道がん手術では、高齢者群では非高齢者群と比較し、術後入院期間、在院死亡割合では劣っていたが、肺炎を含む術後合併症は増えずに再入院率も増加しなかった。よって高齢者であっても、周術期管理に注意を要することはあるが、安全に効果的に運用できると言える。今後、より安全に治療成績を向上させるためには、“...

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Published in日本静脈経腸栄養学会雑誌 Vol. 34; no. 2; pp. 76 - 80
Main Authors 岡本, 光順, 小山, 勇, 桜本, 信一, 山口, 茂樹, 佐藤, 弘, 藤原, 直人, 宮脇, 豊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会 2019
Subjects
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ISSN2189-0161
2189-017X
DOI10.11244/jspen.34.76

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Summary:胸部食道がん根治手術の周術期早期回復プログラムの高齢者に対する運用の実際と課題について述べ、高齢がん患者に対する手術治療と栄養療法の考察を加えた。周術期管理において軸となることは、早期離床、早期経腸栄養、多職種チーム医療である。高齢者に対しては、よりその重要性が増すと考えられる。当院での高齢者に対する胸部食道がん手術では、高齢者群では非高齢者群と比較し、術後入院期間、在院死亡割合では劣っていたが、肺炎を含む術後合併症は増えずに再入院率も増加しなかった。よって高齢者であっても、周術期管理に注意を要することはあるが、安全に効果的に運用できると言える。今後、より安全に治療成績を向上させるためには、“地域連携”と“多職種チーム医療”が重要なキーワードとなる。取り組みが遅れている“外来リハビリテーション”の確立も必要である。高齢者においては、これらの取り組みは、より重要であると考えられる。
ISSN:2189-0161
2189-017X
DOI:10.11244/jspen.34.76