ファインチューニングを用いた非接触血圧推定に関する研究

高血圧は心血管疾患のリスクを高めるとされ,継続的な血圧の測定と管理が心血管疾患予防にとって非常に重要である.現在普及しているオシロメトリック式血圧計は測定の際に腕や手首などにカフを巻き付ける必要があり,継続的な測定には煩わしさが伴うため,より簡便なカフレス血圧測定法が求められている.カフレス血圧推定に関しては,光電容積脈波(PPG)を用いた手法が多く提案されてきているが,近年では,映像から得たPPGである遠隔脈波(rPPG)を用いた手法も提案されている.本研究では,MIMIC-ⅡデータベースのPPGデータで学習した血圧推定モデルにrPPGを用いたファインチューニングを行うことで,非接触での血圧...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual61; no. Abstract; p. 221_1
Main Authors 吉澤, 誠, 寺井, 孝則, 杉田, 典大, 佐藤, 諒
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual61.221_1

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Summary:高血圧は心血管疾患のリスクを高めるとされ,継続的な血圧の測定と管理が心血管疾患予防にとって非常に重要である.現在普及しているオシロメトリック式血圧計は測定の際に腕や手首などにカフを巻き付ける必要があり,継続的な測定には煩わしさが伴うため,より簡便なカフレス血圧測定法が求められている.カフレス血圧推定に関しては,光電容積脈波(PPG)を用いた手法が多く提案されてきているが,近年では,映像から得たPPGである遠隔脈波(rPPG)を用いた手法も提案されている.本研究では,MIMIC-ⅡデータベースのPPGデータで学習した血圧推定モデルにrPPGを用いたファインチューニングを行うことで,非接触での血圧推定を実現することを目的とする.同様の手法を用いた従来法では,rPPGの時系列データをそのまま血圧推定モデルの入力としており,ノイズが多いrPPGから血圧に関連する特徴を抽出しきれていない可能性があった.そこで本研究では,rPPGを1拍ごとに分割し,適切に取得された波形を含む拍のみを選択することで,rPPG波形から血圧と関連のある形態特徴量を正確に抽出し,これを血圧推定モデルの入力とすることで精度の向上を目指した.さらに,PPG,rPPGから取得される形態特徴量や,学習モデルの違いが推定精度に与える影響について調査した.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.221_1