レーザー共鳴振動周波数解析と機械学習を用いた骨密度推定

レーザー共鳴振動周波数解析と機械学習を用いた骨密度推定 整形外科インプラント設置術において、設置強度の評価は術者の手感覚に委ねられており、定量的かつ術中にインプラントの設置強度を評価する方法が求められている。我々の研究では、リーミングと呼ばれる人工股関節カップを設置する穴を作成する段階での、設置強度の期待値取得を目指している。 先行実験では、設置強度と設置土台となる骨密度との間に、相関関係があることが示唆されている。このことから、骨密度が埋入前に推定出来れば、設置強度の期待値取得が可能になると考えられる。 本研究では、模擬骨に設置したカップに対してレーザーを照射して得られる振動データを、機械学...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 312_1
Main Authors 三上, 勝大, 寺内, 玲碧, 松山, 哲也, 根本, 充貴, 名倉, 武雄, 秋吉, 諒一, 畠山, 拓人, 中島, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.312_1

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Summary:レーザー共鳴振動周波数解析と機械学習を用いた骨密度推定 整形外科インプラント設置術において、設置強度の評価は術者の手感覚に委ねられており、定量的かつ術中にインプラントの設置強度を評価する方法が求められている。我々の研究では、リーミングと呼ばれる人工股関節カップを設置する穴を作成する段階での、設置強度の期待値取得を目指している。 先行実験では、設置強度と設置土台となる骨密度との間に、相関関係があることが示唆されている。このことから、骨密度が埋入前に推定出来れば、設置強度の期待値取得が可能になると考えられる。 本研究では、模擬骨に設置したカップに対してレーザーを照射して得られる振動データを、機械学習に学習させることで、骨密度を推定することを目的としている。まず、振動スペクトルデータに対して主成分分析(PCA)を用いた次元圧縮を行い、散布図にプロットした結果、骨密度による分布の偏りが見受けられた。次に、サポートベクターマシン(SVM)による推定を行った結果、平均正解率81.5%を達成した。しかし、カップのシリーズを変更して同様の方法で解析を行うと、PCAによる次元圧縮から骨密度による分布の偏りは見受けられなかった。そこで、振動データに対して主成分負荷量を乗算し、その重みが付与されたスペクトルを作成した。このスペクトルデータを用いて再度学習を行った結果、正解率は69.6%から78.8%に改善した。 これにより、レーザーを照射して得られる振動データから骨密度の推定が可能であることを明らかにした。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.312_1