事象関連電位に基づく空間周波数が潜在的意識に与える影響に関する研究

本研究では潜在意識を測定可能な潜在的連合テスト(Implicit Association Test: IAT)を用いて,空間周波数特性に対する潜在意識をIAT得点として評価し,同時に脳波計測を行うことで高次脳機能の評価を行った.本IATでは背景画像が高空間周波数,または低空間周波数の格子パターンを使用した.『高空間周波数-良い』等といった潜在的連合を,ボタン押しによる反応時間に基づくIAT得点で評価した.脳波はIAT遂行時の画像提示時を基準とし500ms前から1500ms後までを1エポックとし,連合が強い,および弱い場合において,それぞれ選択的に加算平均をして事象関連電位を求めた.IAT得点か...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S39_2
Main Authors 鈴木, 貴登, 黒木, 友裕, 加藤, 和夫, 石川, 敦雄, 門倉, 博之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual57.S39_2

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Summary:本研究では潜在意識を測定可能な潜在的連合テスト(Implicit Association Test: IAT)を用いて,空間周波数特性に対する潜在意識をIAT得点として評価し,同時に脳波計測を行うことで高次脳機能の評価を行った.本IATでは背景画像が高空間周波数,または低空間周波数の格子パターンを使用した.『高空間周波数-良い』等といった潜在的連合を,ボタン押しによる反応時間に基づくIAT得点で評価した.脳波はIAT遂行時の画像提示時を基準とし500ms前から1500ms後までを1エポックとし,連合が強い,および弱い場合において,それぞれ選択的に加算平均をして事象関連電位を求めた.IAT得点から7名中5名の被験者で高空間周波数とポジティブ性の特性語との連合が強い結果が得られた.図に事象関連電位の結果を示す.破線は連合が強い場合,一点鎖線は連合が弱い場合の平均反応時間である.ボタン押しまでに約100[ms]のタイムラグが存在することから,潜時600[ms]前後に着目すると,主に前頭前野(Fp1)に連合の強弱で事象関連電位に差がみられた.これらより,潜在意識に関わる大脳神経活動を事象関連電位で評価できる可能性が推察された.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S39_2