健常足部におけるWindlass mechanismの3次元解析
【目的】Windlass mechanism(WM)は,足部の中足趾節(MTP)関節の背屈により足底腱膜が緊張すると縦アーチが増大する機構であるが,これまで,3次元かつ詳細な検討はされてこなかった.本研究の目的は,WMに伴う母趾列の各関節の変位量と舟状骨の高さを3次元的に評価することである.【方法】対象は13名23足の健常足とし,荷重位足部CTで,母趾指腹が床面に接地,30°背屈した状態を撮影し,ICPアルゴリズムを用いて,母趾背屈に伴う ①各骨の変位量,②各関節における近位骨を基準とした遠位骨の変位量,③足底板から舟状骨までの高さ(最低点と幾何中心)を計測した. 【結果】母趾背屈に伴い,舟状...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 156_1 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual60.156_1 |
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Summary: | 【目的】Windlass mechanism(WM)は,足部の中足趾節(MTP)関節の背屈により足底腱膜が緊張すると縦アーチが増大する機構であるが,これまで,3次元かつ詳細な検討はされてこなかった.本研究の目的は,WMに伴う母趾列の各関節の変位量と舟状骨の高さを3次元的に評価することである.【方法】対象は13名23足の健常足とし,荷重位足部CTで,母趾指腹が床面に接地,30°背屈した状態を撮影し,ICPアルゴリズムを用いて,母趾背屈に伴う ①各骨の変位量,②各関節における近位骨を基準とした遠位骨の変位量,③足底板から舟状骨までの高さ(最低点と幾何中心)を計測した. 【結果】母趾背屈に伴い,舟状骨は3.2°回外,1.3°背屈,内側楔状骨は1.3°回外,0.3°底屈,第1中足骨は,0.9°回内,1.2°背屈した.距舟関節では舟状骨は3.5°回外,0.7°底屈し,内側楔舟関節では内側楔状骨は2.0°回内,1.4°底屈,第1TMT関節では中足骨は2.1°回内,0.4°底屈した.舟状骨の高さは,最低点では1.9mm,幾何中心では1.1mm上昇した.【考察】正常足でのWMでは,母趾背屈に伴い舟状骨の上昇とともに,脛骨に対して舟状骨は背屈し,舟状骨より遠位の関節では近位骨に対し遠位骨が底屈した.また,舟状骨,内側楔状骨は回外しており,これは縦アーチの変化に連動して,足部全体にも変化が及ぶと考えられた. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual60.156_1 |