血流速度波形で観察される逆流や切痕を忠実に再現できる自己血管内シャントモデルの検討

【目的】血液透析患者のバスキュラーアクセス(Vascular Access:VA)エコー検査では、パルスドプラ法による上腕動脈血流量(Flow volume :FV)と血管抵抗指数(Resistance index:RI)を用いた機能評価が行われている。しかし、透析スタッフ向けのVAエコー検査に関する教育システムは確立されておらず、超音波プローブの基本走査手技や血流速度波形測定技術の向上を目的とした教育用シミュレータが求められている。そこで我々は、自己血管内シャント(AVF)モデルを用いた循環回路を作製し、VA血管の狭窄の程度に応じた血流速度波形を忠実に再現できるシステムについて検討した。【方...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 332_1
Main Authors 佐々木, 一真, 本橋, 由香, 細川, 柚乃, 佐藤, 敏夫, 中根, 紀章, 奥, 知子, 山内, 忍
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.332_1

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Summary:【目的】血液透析患者のバスキュラーアクセス(Vascular Access:VA)エコー検査では、パルスドプラ法による上腕動脈血流量(Flow volume :FV)と血管抵抗指数(Resistance index:RI)を用いた機能評価が行われている。しかし、透析スタッフ向けのVAエコー検査に関する教育システムは確立されておらず、超音波プローブの基本走査手技や血流速度波形測定技術の向上を目的とした教育用シミュレータが求められている。そこで我々は、自己血管内シャント(AVF)モデルを用いた循環回路を作製し、VA血管の狭窄の程度に応じた血流速度波形を忠実に再現できるシステムについて検討した。【方法】AVFモデルの動静脈吻合部下流に内径が異なる狭窄パーツを留置し、モデルを含む循環回路内に微小気泡混合水を拍動流として流した。AVFモデル上流の上腕動脈に相当する部位に超音波診断装置のリニアプローブを当てて血流速度波形を測定し、血流速度波形からFVおよびRIを算出した。また、メスシリンダーを用いてFVに相当する回路内流量も調べた。【結果と考察】狭窄率の上昇に伴う血流速度波形の変化は、収縮期や拡張期の血流速度の変化のみならず、狭窄が進展して閉塞直前になると血流速度が顕著に低下して逆流や切痕がみられるが、今回の実験システムでは血流速度波形の変化も実験的によく再現できていることが確認できた。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.332_1