LSTMを用いた就寝時状態判別システムの開発

近年、要介護高齢者の数は増加傾向にあり、病院や介護施設の患者数も増加傾向にある。それに伴い、職員の目が行き届かず、施設内で高齢者が1人で行動し怪我をするという事案が発生している。そのため現在は、マットセンサ等の起き上がり検知システムが用いられている。しかし、従来の検知システムでは、センサへの接触や重さなどを検知する仕様であるため、動き始め等の細かな状態の判別ができない。そこで本研究では夜間就寝中の要介護者を撮影し、画像から状態を判別できるConvolutional Neural Network (CNN)と時系列情報の依存関係を学習することのできるLong Short Term Memory...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 188_1
Main Authors 津田, 卓伸, 岩井, 守生, 小林, 宏一郎, 菅原, 拓登
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual60.188_1

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Summary:近年、要介護高齢者の数は増加傾向にあり、病院や介護施設の患者数も増加傾向にある。それに伴い、職員の目が行き届かず、施設内で高齢者が1人で行動し怪我をするという事案が発生している。そのため現在は、マットセンサ等の起き上がり検知システムが用いられている。しかし、従来の検知システムでは、センサへの接触や重さなどを検知する仕様であるため、動き始め等の細かな状態の判別ができない。そこで本研究では夜間就寝中の要介護者を撮影し、画像から状態を判別できるConvolutional Neural Network (CNN)と時系列情報の依存関係を学習することのできるLong Short Term Memory (LSTM)を利用して判別することで、「起きている」「寝ている」「起き上がる途中」「寝る途中」の計4状態に分類するシステムの開発を行った。本提案システムは撮影している画像を0.1 s間隔で抽出し、学習済みCNNに通し、CNNによって得られた画像の特徴量をLSTMに入力し状態判別を行う。LSTM単体では画像の特徴抽出が十分ではないため、CNNを前処理とすることで画像の特徴量の変化を学習することが可能となる。動作を指定して撮影した動画より時系列を変えずランダムに3枚抽出した時系列画像群を学習・検証用データセットとした。データセットを用いて本システムの性能を評価した結果、状態判別の正答率が90%を超えることが分かった。これらのことより就寝時要介護者の状態判別が本システムにより可能であることが示唆されたため報告する。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual60.188_1