ブレイン・マシン・インターフェイスに用いる先行刺激とエラー出力に対する事象関連電位

本研究では,左右から一方を選ぶ二者択一式のブレイン・マシン・インターフェイスを模したシステムを構築し,先行刺激とシステム出力に対するエラー関連電位の関係について評価を行った.実験ではブレイン・マシン・インターフェイスの操作として左右から一方を決めてもらい,次に無作為に左右から一方の矢印方向を呈示(先行刺激)した.これはP300成分の取得を目的としており,この成分の有無により方向予測をしてシステム出力(実験では意図的に出力を変更)した.出力が操縦者の期待に反した場合にエラー関連電位が発生すると考えられる.脳波測定は国際10-10電極配置法に基づいた22点の測定部位にアクティブ電極を取り付け,被験...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual61; no. Abstract; p. 232_2
Main Authors 加藤, 和夫, 石川, 敦雄, 門倉, 博之, 荒, 翔太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual61.232_2

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Summary:本研究では,左右から一方を選ぶ二者択一式のブレイン・マシン・インターフェイスを模したシステムを構築し,先行刺激とシステム出力に対するエラー関連電位の関係について評価を行った.実験ではブレイン・マシン・インターフェイスの操作として左右から一方を決めてもらい,次に無作為に左右から一方の矢印方向を呈示(先行刺激)した.これはP300成分の取得を目的としており,この成分の有無により方向予測をしてシステム出力(実験では意図的に出力を変更)した.出力が操縦者の期待に反した場合にエラー関連電位が発生すると考えられる.脳波測定は国際10-10電極配置法に基づいた22点の測定部位にアクティブ電極を取り付け,被験者10名に対し行った. 実験結果より,エラー出力時では陽性の早期成分(194 ms)と後期成分(352 ms)が見られたが,非エラー時では単一の成分(316 ms)のみとなった.この成分と後期成分についてpaired-t検定で比較した結果,Czにおいてピーク振幅とその潜時については共に有意な差(ピーク振幅: p = 0.043, 潜時: p = 0.016)を示した.さらに,エラー時の後期成分に着目して,先行刺激により「P300様成分が発生するタスク後にエラー出力した場合」と「発生しないタスク後にエラー出力した場合」について比較すると,Czにおいて前者の条件のピーク振幅が後者に比べ大きく観測され,ピーク振幅に有意な差(ピーク振幅: p = 0.049, 潜時: p = 0.44)を示した.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.232_2