尿異常の早期発見に関する基礎的検討-尿試験紙呈色部の反射率と画像解析による色情報との関係

腎臓病が進行し末期腎不全に陥ると血液透析等を必要とする.現在,透析患者は34万人を超え,慢性腎臓病(CKD)患者は約1,330万人と推計される.本研究では,侵襲がない検尿で診断できる自覚症状に乏しいCKDの指標となる,蛋白尿や微量アルブミン尿等の早期発見を目的に,健診で行われる安価で簡便な尿試験紙の画像解析手法に関する基礎的検討を行った. 材料は,定性,半定量検査に尿蛋白,アルブミン,クレアチニン測定も含む尿試験紙(栄研化学)と尿化学分析装置(小松電子),ヒト由来の精度管理用試料(栄研化学),インフォームド・コンセントにより提供のヒト尿(本学倫理委員会承認第136号,第365号)を用いた.方法...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual61; no. Abstract; p. 254_1
Main Authors 山下, 政司, 小島, 洋一郎, 北間, 正崇, 清水, 久恵, 横山, 徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual61.254_1

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Summary:腎臓病が進行し末期腎不全に陥ると血液透析等を必要とする.現在,透析患者は34万人を超え,慢性腎臓病(CKD)患者は約1,330万人と推計される.本研究では,侵襲がない検尿で診断できる自覚症状に乏しいCKDの指標となる,蛋白尿や微量アルブミン尿等の早期発見を目的に,健診で行われる安価で簡便な尿試験紙の画像解析手法に関する基礎的検討を行った. 材料は,定性,半定量検査に尿蛋白,アルブミン,クレアチニン測定も含む尿試験紙(栄研化学)と尿化学分析装置(小松電子),ヒト由来の精度管理用試料(栄研化学),インフォームド・コンセントにより提供のヒト尿(本学倫理委員会承認第136号,第365号)を用いた.方法は,尿試験紙検査を反射率による機器判定と尿試験紙の撮影を分析装置で行い,その撮影画像を汎用ソフトウェア(GIMP)で解析し色情報を抽出した.今回,機器判定結果と画像解析による色情報との関係を検証した. 検尿結果は,-,±,1+等の定性値もしくは10 mg/L等の半定量値と,連続的な数値の反射率が測定された.尿試験紙の呈色は,高低の値に依存した濃淡が目視でも判定できた.検証結果は,検査値が高値,高濃度である濃色を呈した検体では反射率と色情報が低い値であり,検査値が低値,低濃度である淡色を呈した検体ではその逆の関係であった.さらに,反射率と色情報との関係は,正の傾きの直線性を示した.現在,尿蛋白やクレアチニン比等の関係を詳細に検証している.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.254_1