脱血カニューレの脱血孔ごとの脱血量測定に基づくカニューレ側孔の最適化に関する検討

【目的】人工心肺による体外循環の際には、側孔の数や形状、位置が異なる様々なカニューレが用いられる。臨床現場では経験的に至適灌流量に見合う脱血量を確保できる脱血カニューレが選択されるが、側孔の数や形状、位置の違いが脱血特性に及ぼす影響は明らかになっていない。そこで我々は、カニューレの脱血孔ごとの脱血量を測定することで、それぞれの脱血孔の脱血に対する寄与を定量的に求めることを試みた。【方法】隣接して並べた3つのボトル(①~③)に、①脱血カニューレの先端孔、②先端側の複数の側孔、③中枢側の複数の側孔がそれぞれ分かれて位置するように脱血カニューレを留置した。遠心ポンプを用いて脱血操作を開始し、脱血中は...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 333_2
Main Authors 稲葉, 佑, 飯田, 泰功, 本橋, 由香, 佐藤, 敏夫, 奥, 知子, 伊藤, 徹郎, 大胡田, 沙樹, 山内, 忍
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.333_2

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Summary:【目的】人工心肺による体外循環の際には、側孔の数や形状、位置が異なる様々なカニューレが用いられる。臨床現場では経験的に至適灌流量に見合う脱血量を確保できる脱血カニューレが選択されるが、側孔の数や形状、位置の違いが脱血特性に及ぼす影響は明らかになっていない。そこで我々は、カニューレの脱血孔ごとの脱血量を測定することで、それぞれの脱血孔の脱血に対する寄与を定量的に求めることを試みた。【方法】隣接して並べた3つのボトル(①~③)に、①脱血カニューレの先端孔、②先端側の複数の側孔、③中枢側の複数の側孔がそれぞれ分かれて位置するように脱血カニューレを留置した。遠心ポンプを用いて脱血操作を開始し、脱血中はボトル内の液面が一定になるようにギヤポンプを用いて各ボトル内に水を注水した。各ボトルにおけるギヤポンプの注水量を各脱血孔からの脱血量として定義し、メスシリンダーで計測した。また、上下大静脈の間をスネアした状態での脱血を想定し、①・②よりも③のボトルの液面を低下させて水頭圧を変化させたときの脱血特性も調べた。【結果と考察】各ボトルの液面を一定にした場合では、中枢側の側孔で全体の約70%の脱血量を確保していた一方、先端孔や先端孔側の側孔からの脱血量はいずれの設定流量でも30%を下回る結果が得られた。③のボトルの液面を低下させた場合では、②の先端側の側孔からの脱血量が増加する傾向が見られた。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.333_2