Split-belt treadmillによる非対称歩行時の特異的な身体推進の動態

【目的】本研究は健常人において,split-belt treadmill を用い,非対称歩行時の下肢の変化動態を運動学,及び運動力学的に明らかにすることを目的とした。【方法】健常成人10名に対し,ダブルベルトトレッドミル上で対称歩行中に左右 1:2 の速度比に変化し,再び対称に戻る歩行課題を行なった。この際の運動学,運動力学パラメータの左右対称性を速度変化時や変化前後で比較することで,適応反応や学習効果の残存を抽出した。【結果】ベルト速度が速側の下肢では後方伸展と推進力が増大していることが明らかとなった。【考察】これは先行研究で明らかになっている肢体間協調機能に起因して生じる速側下肢特有の動態...

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Published in理学療法 - 臨床・研究・教育 Vol. 25; no. 1; pp. 27 - 32
Main Authors 金村, 尚彦, 平田, 恵介, 塙, 大樹, 園尾, 萌香, 国分, 貴徳, 久保田, 圭祐, 宮澤, 拓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 埼玉県理学療法士会 2018
Subjects
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ISSN1880-893X
1880-8948
DOI10.11350/ptcse.25.27

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Summary:【目的】本研究は健常人において,split-belt treadmill を用い,非対称歩行時の下肢の変化動態を運動学,及び運動力学的に明らかにすることを目的とした。【方法】健常成人10名に対し,ダブルベルトトレッドミル上で対称歩行中に左右 1:2 の速度比に変化し,再び対称に戻る歩行課題を行なった。この際の運動学,運動力学パラメータの左右対称性を速度変化時や変化前後で比較することで,適応反応や学習効果の残存を抽出した。【結果】ベルト速度が速側の下肢では後方伸展と推進力が増大していることが明らかとなった。【考察】これは先行研究で明らかになっている肢体間協調機能に起因して生じる速側下肢特有の動態であった可能性が示唆された。以上より,本研究は下肢の推進力や後方伸展の不全化を呈する対象者に対し,split-belt treadmillのリハビリテーションツールとしての理論確立の一端となったと考察する。
ISSN:1880-893X
1880-8948
DOI:10.11350/ptcse.25.27