当科における原発性中枢神経系リンパ腫に対する新規化学療法レジメン R-MPV 療法の導入経験

近年,原発性中枢神経系リンパ腫の化学療法として,従来の大量 methotrexate 療法に rituximab を中心とした多剤を併用し,放射線治療および cytarabine による地固め療法を加える新しいレジメン(R-MPV 療法)の有効性が相次いで報告されている.当院でも 2019 年 7 月より本レジメンを導入し,2020 年 7 月までの 1 年間に 4例施行したため,その詳細を報告する.全例で grade 3以上の好中球減少が見られたものの,重篤な副作用を経験することなく完遂することができた.1 例で再発を認めたが,3 例で完全寛解を維持している.R-MPV 療法の導入により生存...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日大医学雑誌 Vol. 80; no. 5; pp. 225 - 231
Main Authors 小澤, 祥成, 山室, 俊, 吉野, 篤緒, 花島, 裕也, 角, 光一郎, 谷澤, 元気
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.10.2021
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.80.5_225

Cover

More Information
Summary:近年,原発性中枢神経系リンパ腫の化学療法として,従来の大量 methotrexate 療法に rituximab を中心とした多剤を併用し,放射線治療および cytarabine による地固め療法を加える新しいレジメン(R-MPV 療法)の有効性が相次いで報告されている.当院でも 2019 年 7 月より本レジメンを導入し,2020 年 7 月までの 1 年間に 4例施行したため,その詳細を報告する.全例で grade 3以上の好中球減少が見られたものの,重篤な副作用を経験することなく完遂することができた.1 例で再発を認めたが,3 例で完全寛解を維持している.R-MPV 療法の導入により生存期間の上乗せ効果が期待されるが,治療成績あるいは慢性期の合併症については今後長期的に経過を見ていく必要がある.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.80.5_225