自動縫合器による気管支断端処理の耐圧についての検討

自動縫合器で切離した気管支断端部の耐圧がどのくらいあるのかを切除肺を利用して検討した.対象は自動縫合器を用いて気管支処理をした20 症例.自動縫合器は2 種類(Echelon® のグリーンカートリッジとEndoGIA® のパープルカートリッジ)使用し,各10 例ずつとした.方法は水没状態にした切除肺の気管支断端に18 G のサーフロ針を挿入し,マンシェットによる加圧を行うことで測定した.結果は平均圧は Echelon® が112.5 cmH2O,EndoGIA® が113.5 cmH2O であった.両者の耐圧に統計学的な有意差を認めなかった.通常,気道内圧は20-30 cmH2O(呼気時)であ...

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Published in日大医学雑誌 Vol. 75; no. 5; pp. 219 - 222
Main Authors 田中, 洋子, 諸岡, 宏明, 古市, 基彦, 竹下, 伸二, 日暮, 亮太, 四万村, 三恵, 石本, 真一郎, 村松, 高, 元美, 塩野
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.10.2016
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ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.75.5_219

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Summary:自動縫合器で切離した気管支断端部の耐圧がどのくらいあるのかを切除肺を利用して検討した.対象は自動縫合器を用いて気管支処理をした20 症例.自動縫合器は2 種類(Echelon® のグリーンカートリッジとEndoGIA® のパープルカートリッジ)使用し,各10 例ずつとした.方法は水没状態にした切除肺の気管支断端に18 G のサーフロ針を挿入し,マンシェットによる加圧を行うことで測定した.結果は平均圧は Echelon® が112.5 cmH2O,EndoGIA® が113.5 cmH2O であった.両者の耐圧に統計学的な有意差を認めなかった.通常,気道内圧は20-30 cmH2O(呼気時)であることを考慮すると,十分な耐圧が示された.一方で,縫合に比べて自動縫合器の方が,気管支断端瘻の発生率が高かったとの報告も散見される.自動縫合器では術者の手加減で自在に締め具合を調節できず,症例毎の適切なstapler の選択やstapling 前の気管支の圧挫も念頭に置くべきである.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.75.5_219